「推し活も婚活も、現実逃避の手段だった」片づけられない人は、婚活もうまくいかない⁉ 36歳女性の気づき
あふれた推し活グッズが父親の書斎を浸食
一方、化学系のメーカーに勤務するE未さんは、36歳。アプリに登録して婚活をしていますが、なかなかいい人に巡り合いません。これまでに出会ったのは「すごく変わった人か、イヤな感じの人ばかりなんです」と不満げです。
「そもそも、仕事が忙しくて男性と出会う暇がありません」というE未さん。この数年の間に、同じ部の後輩が2人立て続けに出産をして育児休暇から復帰したことで、E未さんは毎日のように残業をしています。しかたがないこととはいえ、急に休んだり、しょっちゅう早退したりするママ社員たちのしわ寄せは、当然のようにE未さんたち独身社員がこうむる羽目になります。
そんなE未さんのストレス解消は、推し活。学生時代の友人に誘われて行った音楽イベントで、某ボーイズグループにハマり、時間が許す限り追いかけています。
推し活は楽しいのですが、そのせいで新たな悩みが増えました。たくさんの推し活グッズをしまう場所がないのです。ライブのたびに発売されるグッズに、推しが掲載された雑誌。推しがCMに起用された商品や推しがプロデュースしたグッズなど。どれもファンとして、スルーするわけにはいきません。推しに購買意欲をかきたてられ、気づけば自室は足の踏み場もない状態に…。ついには、父親の書斎まで推しグッズが浸食しています。
いつもリビングのテレビの前でゴロゴロしていて、書斎なんて使っていないのに、父親はE未さんの顔を見れば「片づけろ」「片づけないと捨てるぞ」と小言を言うのだそうです。
片づけることで「推し活も婚活も、現実逃避の手段だった」と気づいて
「会社でも家でも、ストレスにさらされている」と嘆くE未さんに、私がアドバイスしたのは、「とにかくお父さんの部屋にある私物を片づけましょう」ということでした。
親子とはいえ、人の部屋に無断で私物を置くのはマナー違反です。E未さんはとっくに成人しているのですから、両親に甘え過ぎず、ひとりの大人として接することは当然のことです。親をバカにしたり下に見たりして、リスペクトが足りない人は、不思議と婚活をしてもうまくいきません。E未さんには、お父さんの部屋の私物を片付けるとともに、お父さんにきちんと謝罪することをアドバイスしました。
どんなにグッズが増えたとしても、それらを眺めているだけで幸せな気持ちになれるなら、無駄ではありません。ストレスが解消されて、仕事にも婚活にもいい影響があるでしょう。
けれど、E未さんのように持て余してしまっては、せっかくのグッズも不用品と同じです。「必要ないものは手放して、手元にとっておきたいグッズは、せっかくだから目につくところに飾って眺めてはどうですか」とアドバイスしました。
E未さんは、週末に時間を決めて、コツコツと片づけを始めました。E未さんの部屋には、推し活グッズだけでなく、買っただけで満足してほとんど使っていない洋服や化粧品もたくさん埋もれていました。片づけというのは、一つひとつのモノを手に取って、「これは今の自分にとって必要なモノかどうか」「これは理想の私にふさわしいか」を問いかける作業です。これを繰り返すことで、自分が何を大事にしているのか、何を求めているのかが見えてきます。
片づけをすることで、E未さんは「推し活も婚活も、現実逃避の手段だった」ということに気づいたそうです。今の自分に必要ないモノや妥協して使っていたモノは手放すことを通して、E未さんは「やっぱり結婚したい!」と、これまでにない強い決意が芽生えました。
婚活に必要なのは、「自分はどのような結婚生活をしたいのか」「どのようなパートナーと出会いたいのか」を知ることです。モノの片づけは、自分自身の価値観を知るきっかけになります。婚活に迷っている人は、思い切った片づけをしてみるといいかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
次回の働く女性の「婚活ストーリー」もどうぞお楽しみに。
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