【広末涼子 ロングインタビュー】つねに味方でいてくれる「たいせつな存在」があったから、諦めず前に進めた。仕事とプライベートの「いま」
常に味方でいてくれた「たいせつな存在」があったからこそ
――広末さんは今年2月、個人事務所「R.H」を立ち上げました。今後の芸能活動はどのようにお考えですか?
事務所を作ったからといって、何か大それたことを目指しているわけではありません。
正直なところ、先のことはまだ何も見えません。独立させていただくまでにも時間がかかり、多くの方にご迷惑をかけ、ご協力していただき、感謝の気持ちをもって新天地に立たせていただいています。
ただ、子どもの頃から恋焦がれてやっとたどり着いたこの場所に、もしもまだ自分の居場所があるのであれば……と思っています。
――ご自身が社長で、社員はゼロ。マネジメントもプロデュースもご自身でやっていて、これまでとはまったく違う世界が見えているのではないでしょうか。
本当にその通りで、歴代のマネージャーさんには感謝しかないという気持ちです。
今まで私は現場のことだけ考えていて、それ以外は会社に任せていました。企画もセッティングも、事前の打ち合わせもノータッチでしたし、移動の間はマネージャーさんに「寝てていいよ」と言われて「申し訳ないけれど、今しか眠る時間がないから」と休ませてもらっていました。マネージャーさんはお母さんみたいな存在だったと、改めて思います。
――お子さんたちは広末さんの再出発をどんなふうに受け止めていますか?
応援してくれています。子どもたちからは、母の日に心のこもったメッセージをもらいました。長男はもう20歳なので普段はストレートな言い方はしないのですが、「一人で抱え込まなくていいから、何かあればいつでも話して」と言ってくれました。本当に心強い存在です。
「傷つく経験なんて山ほどしてるだろ。いまさら何ビビってんの?」
――インスタグラムを始めたり、ファンクラブを開設したり、新しい挑戦を始めましたね。広末さんはこれまで、SNSからは距離をとっていたのにどうしてですか?
私がデビューした頃はSNSなんてなくて、基本は新聞や雑誌、テレビのインタビューでした。当時から、言葉を選んでいろいろ考えて話したつもりでも、うまく伝わらないことも多くて……。怖いなぁと感じるようになっていました。
ですからSNSで見知らぬ人と直接つながるというのは、私には怖くてとても無理だと思っていました。警戒心が強すぎるのかもしれないけれど。
でも、あるとき長男に
「え? 何言ってんの? ママはそんな世界で30年近く生きてきたんだろ? 攻撃なんて慣れてんじゃん」「何も知らないでこの世界に飛び込んで、SNSで傷つけられてしまう子がいるのはわかるよ。でもママはそんな経験、山ほどしてるんだろ? いまさら何をそんなにビビってんの?」
って言われて。思わず「あ~、そう……ですよねぇ。おっしゃる通りです」と(笑)。
ある意味息子に背中を押してもらって、インスタを始めることができたのかもしれません。
――息子さん、すごい! お母さんのことをよく見ていますね。
そうですね。つい先日は息子に、「インスタの方向性が中途半端だよ。迷ってるだろう?」みたいなことを言われ、これも「あ~、そう…ですね、おっしゃる通りです」という感じで (笑)。
――ネット上ではひどい言葉や臆測、人を傷つける発言も目立ちますが……。
私の好きなダライ・ラマの言葉があって。
「あなたを傷つけたいと思っている敵に出会ったら、それを忍耐や寛容を覚える機会だと思いましょう。これは必要な資質です」「自分の心がコントロールできるようになるまでは、その人に会わないのが一番です」「必要なら、その相手から逃げることが最も賢い方法かもしれませんね。遠くまでね!」
これは人間関係だけでなく、ネット上でも言えることだと思います。
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