「いつまで治療を続ける?」根治はしない「円形脱毛症」。病院では聞けない「患者の悩み」を専門医に聞いた【医師監修】

髪が生えてこない…治療をいつ止めるか、あきらめるか

円形脱毛症の治療は対症療法です。根治に至る治療法は確立されていないし、治療しても発毛が認められない場合もあります。発毛しても再発率も高いし、再発を予防できる治療法はないとされています。取材の中で、治療を途中で止めたという方も多くいました。私自身、毎週1回の通院は物理的にも大変で、治療をしない週もあります。

 

 

【東京医科大学病院皮膚科 入澤亮吉先生Q&A】

Q:円形脱毛症患者のなかには、治療を途中で止めた、あきらめたという方も多いように感じます。治療を続けるか、止めるかというのは苦渋の決断ですが、患者としてはどこで判断したらいいのか。ドクターのご意見を教えてください。

 

A:患者さんご自身が選択すればいいことだと思います。もちろん、医師が強要することはないですね。

 

問題は、ステロイドの内服を止めたくない患者さんに医師がどうやって引導を渡すかというところです。ステロイドは長期に内服すれば、高血圧や高脂血症などさまざまな副作用につながります。リスクとベネフィットを考えれば、減薬、中止するべきですなのです。もちろん、毛は抜けてしまいますので説明は丁寧に行っています。

 

また、「日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2024年版」に書いてある治療を全部やって、それでも生えてこないというときに、「治療をずっと続けますか」という話はしますね。続ける場合は、「ウィッグを使用して生活してみて。半年に1度程度、受診してみてください」とお話しますね。

 

 

Q:「円形脱毛症」と診断されているのに、薬局でミノキシジル外用薬を買って使用しているという方もいます。効果はあるのでしょうか?

 

注:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」によると、「男性型脱毛症には 5%ミノキシジル、女性型脱毛症には 1%ミノキシジルを外用するよう強くすすめます」としています。

 

A: ミノキシジルは、海外での論文や診療実績で円形脱毛症に、ある程度効果があることがわかっています。ただ、ミノキシジルの有用性は現段階では十分に実証されていないため、「日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2024 年版」にあるように、単発型および多発型の症例に併用療法のひとつとして「行ってもよい」にしています。「使ってもいいよ」程度と思ってください。ただ症状によっては、ほかの治療と併用して積極的におすすめするときもあります。

 

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