
「たった一度、誕生日を忘れられたくらいで」10年つき合った彼と、別れるのはもったいない?
彼からは何度も電話がかかってきたけれど…
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翌日、M花さんは彼に別れを告げました。彼は、最初はM花さんが本気で別れるつもりだとは思わなかったようですが、M花さんの決意が固いことを知ると、驚いて必死に引き留めたそうです。10年間、ずっと自分だけを思ってくれた優しい恋人が、たった一度誕生日を忘れただけで関係を断ち切るなんて、想像もしていなかったのでしょう。
その週末、彼は予定をキャンセルして東京へ飛んできて、M花さんの自宅を訪ねてきました。けれど、M花さんは会いませんでした。彼からは、何度も電話がかかってきましたし、メッセージも届きました。そこには、彼がどんなにM花さんを大切に思っているか、誕生日を忘れていたことを後悔しているかが綴られていました。
病床にいる彼の母親からも、「息子を許してやってほしい」と電話で懇願されました。共通の友人からは、「たった一度誕生日を忘れたくらいで別れるなんて、もったいない」と説得されました。M花さんの父親も、「一度誕生日を忘れたくらいで別れるなんて」と眉をしかめました。ただ、母親だけは「M花が決めたことなら応援するわ」と言ってくれたそうです。
別れを決意した理由は、誕生日を忘れたことだけではない
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憔悴したM花さんが、知人に紹介されて相談に来てくれたのはその頃のことです。「彼の気持ちや、彼のご両親のことを考えたら、このまま結婚するべきなのかもしれない。でも、どうしても無理です」M花さんの気持ちは変わりませんでした。
私が、「M花さんの中で、彼との関係はもう終わっているんですよね」と確認すると、M花さんは大きくうなずきました。「誕生日を忘れたくらいで」と人は言うかもしれませんが、M花さんが別れを決意した理由はそれだけではないはずです。そう告げると、M花さんは「そうだと思います」と、胸にわだかまっていた思いを話してくれました。
「連絡するのはいつも私からで、彼は私の愛情表現を空気みたいに思っていたんだと思います。私は、いつも彼がどうすれば喜んでくれるかを考えていたのに、彼は年に一度の、しかも30歳という節目の誕生日に『おめでとう』の一言すらくれなかったんです」と話すM花さんに、私はこう質問しました。「M花さんが誕生日を大切にしていることを、彼には伝えてありましたか」
すると、「改まって伝えてはいませんが、彼にはわかっていたはずです。彼の誕生日は、いつも心を込めてお祝いしていましたから」とM花さん。
「言わなくてもわかってほしい」はコミュニケーションの怠慢
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M花さんは、相手の気持ちを考えて行動できるすてきな女性ですが、「私がしてあげたのだから、あなたもしてくれるべき」という考え方は、人間関係をこじらせてしまう原因のひとつです。
「彼は、自分の誕生日を祝ってほしいとは思っていなかったのかもしれませんよ。誕生日を大切にしているのは、M花さんですよね」とお話しすると、「確かに。私が好きでやっていたことです」とM花さんは自覚しました。
相手に黙って期待をして、その期待に応えてくれないからとがっかりしたり、責めたりするのはトラブルのもと。「言葉で伝えなくても、それくらいわかってほしい」というのは、コミュニケーションの怠慢です。恋愛中だけでなく、結婚した後もそう。自分の望みは、言葉にして相手に伝えなければ伝わりません。
してほしいことは言葉でわかりやすく伝える
それからしばらくして、M花さんは誕生日にブーケをプレゼントしてくれた同僚とおつき合いを始めました。「どうすれば、彼は喜んでくれるかな」と折に触れて考えているところは相変わらずのM花さんですが、
「私がやりたくてやっていることだから、見返りは期待しないようにしています」と、大きな変化が!
「自分がしてほしいことは、言葉でわかりやすく伝えるようにしています。勝手に期待して、勝手にがっかりしないように」
その後、M花さんは彼と結婚しました。彼は、M花さんの誕生日と結婚記念日には、必ず花を贈ってくれるそうです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
次回の働く女性の「婚活ストーリー」もお楽しみに。
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