
教員たちも受けたことがない、開かれた「性教育」。今の子どもたちに、どう伝える? 何が足りない⁉
一番の問題は教員自身の意識?大人にこそ必要な「体系的な性教育」
出典:性教育いらすと
—小学校5、6年生は、学習内容も難しくなり、身体や心の変化が大きくなる時期のため、担任の先生は特に大変そうですね。
そうですね、男性は5、6年を担当することが多く、女性はベテランになるにつれ1、2年を担当することが傾向として多いと言われています。もちろん例外もあります。特に男子児童は5、6年生になると体が大きくなり、指導が強化されることが多くなります。学年の中には必ず女性の先生は配置されます。
—-5、6年生を担当する男性の先生は、生理など女の子の体の変化にどのように対応しているのでしょうか。
養護教諭に丸投げしてしまうことが多いかと…。私自身、学生時代にも教員を始めてからも生理について学んだ経験がないため、何をどう教えたらよいか分からず、相談されても「女性の先生に聞いてみて」と答えてしまいそうです…。
—-性教育について、タブー視した指導があると感じたことはありますか?
ない、というか、そういった話をあまりしないです。性教育については、小学校では発達段階がそこまで進んでいないため、もちろん5、6年生では対応が必要な場面もありますが、中学や高校の先生の方がより深く取り組むことが多いように思います。これについては、中学や高校の先生はまったく違う意見を持っていると思いますが…。ジェンダーという点で、以前は「小学校は女性の職場」というイメージが強かったようですが、最近では男性の先生も増え、男女比が半々に近づいています。
——性自認の気づきは、小学校高学年から中学生頃(平均年齢14歳)という報告があります(※5)。生きづらさや孤立感が自殺リスクを高める要因となるため、小学校低学年から性の多様性について教える必要性が認識されています。この点について、どう思われますか?
重要ですね、伝えるべきだと思います。4年生を担当したときは、性の多様性について授業で扱い、日常の様々な場面でも繰り返し伝えるようにしていました。先生の中には「男と女、最近はそうじゃないのもいるみたいだけど」と表現をする方もいるので、取り組み方には個人差があると思います。1番の問題は教員自身の意識じゃないかと。教員の多くが体系的な性教育を受けた経験がないですから。性教育に関して専門的な話を聞く機会はなく、研修もありません。
教員が体系的な性教育を受けて、その知識を普段の生活の中で子どもに伝えていくのが一番効果的ですよね。本当は小学校1年生から体系的に進めるべきだと思います。自分自身も知識が不足していると感じますし、他校の取り組みについても分からないのが現状です。
※5 出典:日高 庸晴(宝塚大学看護学部 教授)/ライフネット生命保険株式会社:第 2 回 LGBT 当事者の意識調査~世の中の変化と、当事者の生きづらさ~(2019年)(LGBT 当事者約 1 万名を対象に実施 )
参考:渡辺 大輔.特集 2:ジェンダー・ダイバーシティと教育「性の多様性」をめぐる教育・学習と 性的マイノリティ支援のあり方.日本教育政策学会年報 第24号 2017年
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