
崩壊へのカウントダウン。「妻が入院したから寂しくて」1年ももたずに浮気した男性の言い分は
再生への道のり、そして新たな泥沼
── その後、奥様との関係はどのようになりましたか?
「妻は退院後も完治とは言えない状態で、徐々に職場復帰をしていきました。僕としては離婚されても仕方ないと思っていたんですが、妻は『もう一度時間をかけて、あなたという人間を見てみる』と言ってくれたんです。だから、家事や病院への付き添いも含めて、僕がやれることをやるしかない。僕に対する信頼はゼロに近い状態でしょうが、どうにか取り戻したいと思っていました」
── 同僚の女性との関係はそこで完全に終わった、という理解でよろしいでしょうか?
(この問いに対して、ユキヒサさんはしばらく沈黙しました。顔を伏せたまま、やがて重い口を開きます)
「実は……退院から数か月後、妻が再検査で入院することになりまして……。結果的には大きな病状の進行はなかったのですが、また看病と仕事の両立が始まったとき、僕のなかで以前の苦しさがぶり返したんです」
── 再び”孤独”を抱えるようになったということでしょうか?
「そうです。妻は少しでも元気になればいいと願っているし、僕もサポートしようと思う。けれど、正直言ってあのときのトラウマが拭えないんですよね。『またいつ終わるとも知れない看病が続くのか』とか『これが自分の人生なのか』と、頭のどこかで逃げたい気持ちが大きくなってしまう。そんなとき、彼女の存在を思い出したんです。彼女のほうも、会社ですれ違うときに見せる表情から、まだ僕に未練があるのが見えました」
── それで、再び連絡をしてしまったと?
「はい……。僕はまた同じ過ちを繰り返してしまいました。一度は決別したのに、彼女にメッセージを送ってしまった。『久しぶり。元気にしてる?』と。返事はすぐに来ました。『待ってたよ』と。そこからは、あっという間に以前の親密な関係が蘇りました」
── つまり、現在も不倫関係が続いているということでしょうか?
「はい……。泥沼なんです。妻は再入院から退院し、今また自宅で療養している状態です。ただ、僕もまた看病と仕事で疲れが溜まり、同僚の彼女のもとに逃げ込むことをやめられない。何度も『もうやめなきゃいけない』と思うんですが、彼女は僕にとって唯一、弱音を吐ける相手でもある。妻には二度とあんな裏切りはしないと誓ったのに、また裏切っている。完全に自分でもどうしようもない最悪の状況に陥っています」
── 奥様はその事実に気づいているのでしょうか?
「まだ決定的にはバレていないと思います。でも、気づいている気がします。なぜなら、入院してから現在までレス状態が続いています。妻はもう以前のように『あなたを信じてる』とは言わなくなりましたから。僕が夜遅くに帰るときの表情は明らかに疑っています。それでも、今は彼女自身の体調も万全ではないからか、追求する気力もないのかもしれません。本当に卑怯ですよね、こんな状況を放置しているなんて。自分でもそう思うんですが、同僚の彼女も『絶対に別れたくない』と言っていて、どこにも逃げ場がないのが正直なところです」
── 浮気の代償をわかっていながら、再度その道を選んでしまった今、どのようなお気持ちでしょうか?
「もう自分がどうしようもなく壊れているんだと感じます。妻が入院しているときにしんどいのは当たり前なのに、そこから逃げたい気持ちが勝ってしまう。社会的にも道徳的にも間違っているとわかっていても、同僚との関係を絶てない。だからといって、妻を捨てる勇気もない。僕は妻に対して『また信じてもらえるよう頑張るから』と言いながら、水面下ではまた同じ裏切りを繰り返している。罪悪感や後悔よりも、むしろ自分でも整理できない感情が渦巻いていて、まさに泥沼に沈んでいく感覚です」
おわりに 孤立、孤独から生まれる問題を考える
ユキヒサさんは現在、再び不倫関係に身を置くことで泥沼の只中に沈んでいます。奥様はかつて以上に傷つき、彼をもう信じられなくなっているかもしれません。浮気相手の女性もまた、この先どんな形でこの関係にさらなる傷を負うかはわからない。三者三様の苦しみが続くなかで、いつか破局的な結末を迎える可能性も高いでしょう。
しかし、一方で「どうしてこんなことになってしまったのか」を、社会全体で考える意義は大きいのではないでしょうか。献身や感謝という美徳が、時に人をがんじがらめに縛り、正直に弱音を吐けない空気を作っているのだとすれば、私たちはそこにメスを入れなくてはなりません。
介護などで誰の手も借りることができなければ、たいていの人は追い込まれていきます。そんなとき”いい人” “誠実な人”というレッテルの裏側に隠れた弱さこそ、真に理解されるべき部分なのかもしれないと感じるインタビューとなりました。
<<この記事の前編:「妻が重病になり、入院したことが耐えられなかった」別の女性に癒やしを求めた男性が追い込まれた袋小路とは」
【こちらも読まれています】
「だって、妻より優しかったんです」妻との関係を良くしようとAIチャットに相談したはずの男性が、徐々にハマってしまったその「致命的な罠」とは
スポンサーリンク
【注目の記事】
- 「一度使ったらやめられない」人気スタイリストも40代編集もリピ買い中の『涼ブラ』って?「滝汗でも不快感なし」「つけ心地がラクなのに~」続々と魅了される理由とは?
- 白髪染め迷子だったアラフィフ編集部員が体験。パサつく、色が抜ける・・・ホームカラーのイメージを覆す“クレイパック着想”の白髪染め 驚きの染まりとツヤのワケとは
- 「お値段にも納得いく手応えです」あのシーズ・ラボのサロンケアが「本当に自宅でできてしまう」1台13役の最新鋭※マルチ美顔器の「ほんとにすごいところ」とは
- 美味しさの決め手は植物油!~油の達人に聞く植物油の魅力 vol.9/@和乃食 ここから【オリーブオイル、サラダ油、菜種油】
- 「急に老けた!?」と悩む40代、50代必見! 編集部員がリアルに実践「毎日キレイを保つ」お手入れ法
- 白髪に悩む40-50代女性が「泡クリーム」タイプの白髪染めをセルフでお試し!「もっとはやく使えばよかった」後悔の理由とは?
- 美味しさの決め手は植物油!~油の達人に聞く植物油の魅力 vol.8/@サンジャン・ピエドポー【オリーブオイル、キャノーラ油】