
「手探り・ほぼ赤字」で始めた映画製作で、国際映画祭にノミネート。そして54歳のいま「作りたい」と切に願う作品とは
「インディーズ映画の制作は持ち出しも多いんです」撮影も編集も手弁当でスタート
4作目の『虹色はちみつ』。香川県・琴平町のさぬきうどん店での撮影風景
商業映画と違い、自主制作のインディーズ映画は持ち出しが多く、すべて自分たちでこなします。シナリオは一人で書けますが、撮影や上映会などを開催するには周囲の協力が欠かせません。
「さぬき映画祭」で優秀企画賞を受賞した際の賞金50万円も、ロケハンやキャストのオーディション、撮影準備に充てると、あっという間になくなってしまい、赤字でした。撮影初日に台風で島に行くフェリーが欠航になってしまい、スタッフが高松で足止めをくらって全く撮影できなかったときには、島の公衆トイレで夜中にひそかに大泣きしていたこともあります。
撮影クルーはカメラマン、録音、ヘアメイク、そしてボランティアスタッフ。カメラマンとヘアメイクはプロの方ですが、それ以外は、映像塾の仲間や大学・専門学校の講師仲間の先生と学生さん、ママ友に手伝ってもらいました。1作目ではカメラマンすらプロではなく、映像塾の仲間に無償で協力してもらいましたが、4作目『虹色はちみつ』では文化庁の補助金を受け、ようやくプロのカメラマンに報酬をお支払いできました。
編集も、1・2作目は映像塾の同期が担当し、私はその横について学ばせてもらいました。3作目の『はちみつレモネード』では初めて自分で編集に取り組みましたが、「本当にこれで合っているのだろうか?」と不安になることもしばしば。VIPO(映像産業振興機構)主催の「1日編集講座」に参加して、そこで出会ったプロの編集者の方に「自己流でやっているので自信がないんです」と相談し、やり方を見せていただきながら教えてもらって……。最後はシュッときれいに仕上げてもらって、プロの編集者の仕事を目の当たりにして、学ばせてもらいました。
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