【実例】ある日突然夫の借金が判明?こんな「ザル家計夫婦」に要注意
最近増えている、「おひとりさま夫婦」。生活費の分担はするけれど、それ以外のお小遣いや貯蓄のことにはお互いノータッチ。必要以上に干渉しないのは自由でいいのですが、お金のことはそれではすまないこともあります。新年を迎え、このパターンに当てはまる人は今年もいっそうの注意が必要です。
共働き夫婦は「おひとりさま」が2人いる状態になりがち
都内に住むS子さん(42歳)もそのひとり。45歳の夫はフリーランスで働くSE。S子さんは事務用品を扱う会社で働く派遣社員です。
S子さんが家賃、夫が生活費を出すというルールにして、それ以外はお互いに好きに使っています。S子さんは年収400万円ですが、夫の年収は不明。貯蓄残高も不明でした。
それでも順調な時には問題ありませんでした。S子さんも、一人暮らしの時より広い部屋に住み、自由に使えるお金が増え、夫婦の暮らしに満足していました。
ところが、S子さんの夫が入院することになってから事態は一変。お互いに干渉してこなかったことが、かえって仇となったのです。
突然判明!実は夫は借金まみれだった!
ある日、夫は出先でケガをして救急車で運ばれました。幸い足の骨折だけで、後遺症等は心配なさそうなので一安心です。
ところが、S子さんは夫の健康保険証や、銀行のキャッシュカードなどの貴重品がどこにあるのかわからず、自宅のあちこちを探すことに。
そして、夫が仕事で使う引き出しを探していたときに、カードローンの利用明細と督促状の束を見つけてしまったのです。しかもカードローンの利用残高は、すでにS子さんの年収以上の金額。少しは貯金もしているだろうと思っていたS子さんには衝撃の事実でした。
病室で夫に聞いても謝るばかり。さらに、国民健康保険の保険料未納も発覚。生命保険も解約していました。生命保険から入院・手術のための給付金が出ると思って、差額ベッド代のかかる個室にしたのに……。S子さんは病院に払うお金をどうしようかと考え込んでしまいました。
お金の収支はオープンに。貯蓄目標はシェアが基本
夫の急なケガと、お金の心配で精神的に参ってしまったS子さんでしたが、FP相談を利用したことで気持ちを切り替えられました。
冷静かつ合理的に考えて、病院に支払うお金はS子さんの貯金を取り崩すしかありません。
そして、カードローンは1日も早い完済を目標に、夫婦で協力しあうことが一番の近道です。
カードローンは夫が作った借金なので、夫婦で協力することに初めは納得がいかなかったS子さんでしたが、将来のことまで考えると協力せざるを得ないと半ばあきらめの境地に達したようです。
「借金も貯金も自己責任」と考えていた夫婦でしたが、では、いざという時に知らん顔ができるのか、と言えばそうではないわけです。
今回のようにお金の無い夫が入院したり、またはどちらかが病気になって仕事ができず収入が途絶えたり、年金や貯金の準備がないまま老後を迎えたり、人生のお金にまつわるリスクは様々です。
夫婦で乗り越えるためには、お互いに協力することがとても大切。毎月の収入と支出はオープンにして、貯蓄目標額は共有しておくことが基本です。
S子さん夫婦は、貯蓄の前にカードローンの借金返済が先ですが、夫婦でしっかり話せたことは、将来のためのいい機会になったようです。
夫婦は身近な他人。パートナーに言えないこともあるものですが、お金のことは別。締めるところは締めていかないといけませんね。
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(FPCafe登録パートナー タケイ啓子)
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