
「えっ、こんなことが仕事になるんですか?」44歳の専業主婦が見つけた「逆転のヒント」とは
日々が飛ぶように過ぎていくなか、自分の「これから」に漠然と迷う……そんな想いを抱える40代・50代。人生の後半に差し掛かる今、まるで霧のなかを手探りで進んでいるような不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
この連載では、「ほんのちょっとしたトライ」が、自分のあり方を見つめ直すきっかけになることをお伝えしてきました。今回は、44歳から大好きな「神社」を仕事にし、46歳で初めての書籍を出版した能津万喜(のづ・まき)さんの物語をお届けします。
専業主婦として家庭を支えてきた彼女が、どうやって自分だけの道を見つけたのでしょうか。
その一歩は、意外な「気づき」から始まりました。
◾️能津万喜さん
神奈川県在住の54歳。55歳の夫、25歳の長男、21歳の三男と4人暮らし。23歳の次男は独立。
【私を変える小さなトライ#26】
「絵本の読み聞かせボランティア」をやっていた私が、抱いていた夢は
東日本大震災があった年に、夫の転勤で大阪から横浜に引っ越しました。それまで住んでいたのは大阪府の片田舎で、近所の人と道端でしゃべっているのが噂になってしまうような土地柄。「女性は家にいるべき」という暗黙の了解があって、フルタイムで働くのは許されないような雰囲気でした。
当時は男の子3人の母親として、学校のPTAの役員や絵本を読み聞かせするボランティアなどはしていましたが、外に出て働くことができません。「何か自分ができることを探したい」と37歳のときに「色彩心理学」の勉強を始めました。「赤い色のものを食べると元気が出る」ことを食のプロが話していたり、青い色の衣装を身につけたフィギュアスケート選手が優勝するジンクスがあったりと、色の持つパワーが面白いと思ったんです。子育てするお母さんたちに「この色を着るとこんな効果がある」といった色を使った心の整え方をお伝えしていたら、徐々に「私も見てほしい」とご依頼をいただくようになりました。でも、すべてボランティアで、お金にはなりませんでした。
40歳で横浜に引っ越しをすると、それまでの閉塞的な田舎の空気から解き放たれて、「どんな服を着てもいいんだ!」と心身ともに自由にはなりました。一番下の子どもが小学校を卒業するまでは家にいたかったので、「家にいながら何かできることはないか」と模索していましたが、「何をしていいのか分からない」迷子の状態。自分が興味のあるセラピーを習ったり、整体をやってみたりといろいろ探してはいたものの、これというものが見つからず、起業するには至りませんでした。
そんなとき、女性が起業するためのコンサルタントをしている女性と知り合って、「それではお金は稼げませんよ。お金を稼ぎたいなら、何か探していきましょう」とアドバイスをもらいます。
流行りの「神社」の本を見たら、「この内容、私は全部知っている!」
あるとき、本屋さんで本を探していたら、神社の本がたくさん並んでいました。中身を見てみると、「あれ? 私、これ全部知っている内容だな」と。神社参拝のマナーや、産土神(うぶすながみ)と氏神(うじがみ)の違い、天神さんには誰が祀られているかなど、田舎で育った私にとっては当たり前だと思うことだったんです。
私は信心深い両親のもと、子どもの頃から1日と15日は神社の月次祭(つきなみさい)に参列し、28日はお不動さんに参拝していました。旅行に行くといえば、立ち寄る先は、神社やお寺でした。日本最古の巡礼の路といわれる「西国三十三所巡礼」には小学生から訪れていたので、大人になったときにはすでに3回、満願していました。神社の御朱印をもらうのが最近は当たり前ですが、まだブームではなかった頃、初めて自分でお金を払って御朱印をいただいたのは、8歳のときです。
そんな話をコンサルの先生にしたところ、「それ、万喜さんの強みですよ」と。私にとっての「当たり前」は、ほかの人にとっては価値を生むことなんだと、初めて知りました。
そうして44歳で「神社仏閣コーディネーター」を名乗り始めます。といっても、肩書きをつけた方がいいからと作った名称で、資格は何もありません。
絵本の読み聞かせボランティアやPTA役員など、家庭を中心に日々を過ごしていた能津万喜さん。けれど、「私の得意ってなんだろう?」という問いに向き合ったことが、人生の歯車を少しずつ動かし始めました。
続いての▶▶「専業主婦だった私が46歳で初出版。「出会いって、思わぬところに潜んでいるんです」」
では、暗中模索の時期を経て、書籍出版に至るまでのリアルな道のりをたどります。 “何かを始めたいけれど、何をしていいのか分からない”そんなあなたにこそ届いてほしい、小さな一歩の物語です。
写真はイメージです
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