
「お前のせいで太ったんだぞ!」怒鳴りながら深夜にラーメンを食べるモラハラ夫。その責任、なぜ私に? 検診で要検査になったとき、夫が放ったオドロキの言葉とは
モラハラ・夫婦問題カウンセラーの麻野祐香です。
最近は、外見に異常なまでにこだわるモラハラ男性が多くいます。毎日ジムに通い、プロテインを欠かさず、鏡の前で自撮りを繰り返す。そんな彼らの多くは、見た目の良さを「支配力」と結びつけ、自分が他人よりも優れていることをアピールしたがります。外見を整えることで、自己評価を保ち、他人からの称賛を得ることが自分の価値だと信じているのです。
今回はそんなタイプとは真逆のケースで、食べたいだけ食べて太っていく、自己管理のできないモラハラ夫を持つKさんのお話です。
Kさんの夫は、自分の体型が崩れたことを「妻の管理不足」だと責めたてるそうです。
※本人が特定できないように変更を加えてあります
※写真はイメージです
「自分が太ったのは妻のせい」と言いながらおやつを食べる夫
Kさんのご主人は、以前はスリムで活動的だったそうです。
しかし、年齢と共に運動量が減ったにも関わらず、食事の量が増えていきました。そして、夜寝る前に「お腹が空くと寝られない」と言ってラーメンを食べたり、アイスを食べることが習慣化していました。その結果、今ではかなりの体型になっているそうです。
ご主人は、自分が太った理由を「お前がちゃんと食事を管理しないからだ」と言うので、Kさんはいつも栄養バランスを考え、量を調整した食事を出してきました。しかし、食事が足りないと勝手にツナ缶を開けてマヨネーズをたっぷりかけてご飯に乗せたり、食後にお菓子を食べたりするご主人。さらに飲み会で暴飲暴食を繰り返すので、ダイエット効果は全く現れません。
Kさんが生活習慣の注意をすると「俺を誹謗中傷するのは楽しいのか」と反対にキレ、暴言がやまなくなるのです。明らかに自己責任のはずなのに、その責任はすべてKさんに押し付けられます。
Kさんは「私の言うことを守れないのなら、もうあなたに注意はしないから」と勇気を振り絞って言ったのですが「妻なのに、夫である俺の健康を守れないのか!?」「お前がもっとしっかりしていれば俺はこんなに太らなかったのに!」「他の家の奥さんはきちんとしているのに、うちはダメだな」などと言われてしまったのだそうです。
そんなことが何度かあり、Kさんは自分が悪いのではないかと悩み、落ち込んでしまったといいます。
このようなモラハラ発言の背景には、「責任のすり替え」という心理があります。
本来は自分が引き受けるべき問題を、相手に押しつけることで罪悪感から逃れようとするのです。これは、モラハラ男性がよく使う典型的な操作手法です。
夫の健康を気遣っても「口うるさい」と言われ…
Kさんの心の中には、いつも小さな葛藤が渦巻いていました。
「言わなければ気づいてもらえない。でも、言えば嫌な顔をされる。だったら、もう黙っていた方が楽かもしれない」
そんな思いが、日に日に積もっていったのです。
最初の頃は、夫に生活習慣について話せば、前向きに受け止めてくれると信じていたKさん。しかし、どんなに言葉を選んでも、返ってくるのは冷たい反応や責め、怒りばかりでした。ときには皮肉まじりの言葉で、Kさんの心をえぐるようなことも言われました。
いくら注意しても、反発されるばかり。会話をすること自体が苦痛になり「もう夫にダイエットのことは何も言わない」と苦渋の決断をし、宣言するまでになりました。けれど、Kさんが何も言わなくなると、夫はますます暴飲暴食を繰り返し、健康診断ではすべての項目で「要再検査」の判定が出ました。
その結果を見たKさんの胸には、不安が広がりました。
「もし本当に病気になったらどうしよう。やっぱり、健康を守れるのは私しかいない…」
そう思って、再び夫に注意をするようになります。
けれど夫は、自分に都合の悪いことはすべてなかったことにしようとします。再検査の通知が来ても病院に行く気配はなく、「病院には行ったほうがいいよ」とKさんが声をかけると、
「何もわかってないくせに口出しするな。俺には俺の考えがある」
と、まるでKさんが悪いかのように言い返してくるのです。
なぜKさんの夫は妻の言葉を拒絶するのか? モラハラ夫の心理構造
Kさんの夫が、健康のことを心配して声をかけるKさんの言葉に、過剰なまでに反発するのには、いくつかの心理的な背景があります。
まず、彼は「自分の弱さ」を絶対に認めたくないのです。再検査が必要だという事実そのものが、自分の身体に不調があることを意味します。彼にとってそれは、自分の価値や存在意義が揺らぐような感覚を引き起こすため、強く拒否してしまうのです。
さらに、Kさんの心配の言葉や助言も、夫にとっては「自分を攻撃されている」と感じられてしまいます。「否定された」と受け取ってしまうため、感謝ではなく怒りで反応してしまうのです。
また、夫は「自分が支配している立場」を守ろうとします。妻の助言に従うことで、上下関係が崩れてしまうように感じ、意固地になってでも相手の言うことを拒絶しようとします。
そうした心理の背景には、現実から目をそらしたい気持ちもあります。再検査という現実を見ようとせず、まるで何もなかったかのように振る舞う。そして、その責任を「自分に言ってくる妻が悪い」とすり替えることで、自分を正当化しようとするのです。
さらに彼は、「俺には俺の考えがある」と言って問題をうやむやにしますが、それは本当に何かを考えているのではなく、むしろ“不安から逃げるための言い訳”に過ぎません。考えているふりをしながら、実際は行動も決断もせず、妻の言葉をただ遮るだけなのです。
ここで夫への気持ちを断ち切れたら、どれだけ楽だろう……。そう思うこともありましたが、Kさんの心には、愛ではないにせよ「情」がまだ残っていました。結婚生活の中で積み重ねてきた時間、家族としての日常、苦楽をともにした記憶。夫に対する怒りや失望があっても、「もし夫が病気になったらどうしよう」「死んでしまったら」と考えると、彼を切り捨てることはできなくなってしまうのです。
さらに、モラハラ加害者には特徴的な振る舞いがあります。自分の暴言や横暴な態度を正当化しながらも、時折やけに優しくなるのです。たとえば、突然プレゼントを買ってきたり、「最近ちょっとつらくてさ」と弱音を吐いたり、涙を見せたりする。その瞬間、「本当は悪い人じゃないのかもしれない」と感じてしまい、混乱する被害者は少なくありません。
こうした“優しさと暴力の交錯”は、心理的な支配の典型です。希望を与えて突き落とす、を繰り返すことで相手の自信や判断力を奪い、抜け出せなくさせてしまうのです。
本編では、暴飲暴食を繰り返す夫が、自分の不摂生をすべて妻のせいにするモラハラの実態と、その背後にある心理についてお伝えしました。
▶▶夫に健康でいてほしいだけなのに、怒鳴られる。妻が「夫の体より、自分の心を守ろう」と静かに決意した日
では、何度も心をすり減らしてきたKさんがたどり着いた“線引き”と、その後の気持ちの変化についてご紹介します。
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