「学校に行きたくない!」に「なんで?」と聞き返すのが、ナンセンスな理由とは。不登校家庭を20年以上指導してきて、見えてきたこと【公認心理師が解説】

2025.04.28 LIFE

理由を問えば、子どもはひねり出す

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「子どもが理由を語れないケースが多い」一方で、「大人が尋ねれば、子どもは理由をひねり出す」のもまた、事実です。

大人でさえ、もし「何かストレスがあるの?」と聞かれれば、それまで気にもしていなかった「ストレス」を、急に探し回るもの。子どもだったらなおさらです。こんなやり取りで一生懸命ひねり出した「子どもなりの理由」たちの間には、やがて辻褄が合わない部分が出てくることも。そうなれば、子どもも大人も混乱します。無理に語らせることに、メリットはないのです。

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親としてはもどかしいですが、今すべてを分かる必要はありません。むしろ、最後まで分からないままでも大丈夫。それでもあえて、こちらから問うのであれば、「何のために問おうとしているのか?」「この問いは、(親ではなく)この子にメリットがあるのか?」という視点をもって、質問や聞き方を選んでほしいと思います。

ちなみに、「簡単に泣く年頃ではないはずなのに、一人で泣いている」「心ここにあらずでふさぎ込んでいる」など、明らかに気になる挙動があれば、その時は下手に待たず、「親の権力」を発動してください。「未成年の保護者として、保護・看護の責任があるので、何があったか教えてください」と、聞き取りをしてみてくださいね。

 

 

■ 「不登校の答え合わせ」シリーズを読む
空っぽのランドセルに詰め込んだ、精一杯のSOS。「学校に行きたくない」と言い出せなかった不登校児の、学校と母への本音

 

 

《解説》

植木希恵(うえき・きえ)

不登校・発達障害専門個別学習指導 きらぼし学舎代表・公認心理師。カウンセリングルーム勤務や中学校の非常勤講師を経て、「不登校・発達障害傾向の子ども専門家庭教師」として独立。2014年、広島市で「きらぼし学舎」を開業。「心理カウンセリング✕学習」というスタイルで多くの生徒、保護者とセッションを20年以上続けている。2018年からは、母親に子育ての視点を提供する「お母さんのための心理学Web講座」を開講。「子どもの見方が変わった」「子どもへの接し方、言葉のかけ方が変わってきた」と評判を呼び、現在は毎期100人以上の受講生を誇る。2023年、自著「おうち学習サポート大全」(主婦の友社)を上梓。

 

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