「学校に行きたくない」子を、休ませてはみたけれど……次にとるべきコミュニケーションとは?【不登校指導歴20年の公認心理師が解説】

2025.05.01 LIFE

親だって、人生や生活がある。対応可能な範囲を提示しながら、子どもにどうしてほしいか確認を。

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とはいえ、休みが続くと、親は困りごとが増えるのも現実ですよね。会社をこれ以上休めない、在宅ワークで集中できない……あるいは、気がかりな我が子が常に家の中にいて、息が詰まるかもしれません。

そんな時は、「○時から○時までは会議があるから、話しかけないで」「○時から1時間外出させてもらいます」など、大人の都合を前提に調整して構いません。「子どもが学校に行けない=がっぷり四つで向き合ってあげなくては」と思い込む親御さんもいるようですが、それはサステナブルな方法ではありませんよね。親が自己犠牲精神全開で行動を選択していくと、余裕がなくなった時に「お母さんは休んであげるんだから!」「こんなにやってあげてるのに!」という思いが見え隠れし、子どもに罪悪感を植え付けかねません。

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もちろん、一方的な支配にならないよう、子どもの希望を聞くようにもしましょう。

  • ずっと家にいてほしい?むしろ一人の時間がほしい?
  • (家にいてほしいなら)同じ部屋がいい?別の部屋にいるのがちょうどいい?
  • たくさん話したい?ある程度放っておいてほしい?
  • たまには外出したい?家の中で過ごすのが安心?

――返ってきた要望は大切にしつつ、「お母さん/お父さんは全部休めないから、『この日だけは!』という希望はある?」「ずっと一緒にいてほしいと言うけど、何か不安なことがある?/やりたいことはある?」と、その真意を掘り下げながら、親の現実とすり合わせながら着地点を探っていけば大丈夫。

親の都合を伝えるのは、自分勝手でも、愛情不足でもありません。むしろ、子どもの顔色を伺ったり、子どものせいで我慢したりする親の様子を感じ取った子どもは、自らを責めたり、親のために自分の本音を抑圧したりすることも――。親が「自分の人生を大切に生きる」姿を見せれば、子どもも「私も自分の気持ちを大切に生きていいんだ」と思えるようになるはずです。

 

《解説》

植木希恵(うえき・きえ)

不登校・発達障害専門個別学習指導 きらぼし学舎代表・公認心理師。カウンセリングルーム勤務や中学校の非常勤講師を経て、「不登校・発達障害傾向の子ども専門家庭教師」として独立。2014年、広島市で「きらぼし学舎」を開業。「心理カウンセリング✕学習」というスタイルで多くの生徒、保護者とセッションを20年以上続けている。2018年からは、母親に子育ての視点を提供する「お母さんのための心理学Web講座」を開講。「子どもの見方が変わった」「子どもへの接し方、言葉のかけ方が変わってきた」と評判を呼び、現在は毎期100人以上の受講生を誇る。2023年、自著「おうち学習サポート大全」(主婦の友社)を上梓。

 

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