本当の自分が出せないあなたへ【暮れの酉 幸せに気づくエッセイ♯4】
「ありたい自分」ではないことを否定しない
僕たちが「本当の自分」というとき、それは「こうであってほしい自分」であることが多いです。過去の自分を美化した「あのころのイケてた自分」だったり、いまだかつて現れたことはないけれど「こうでありたいと思う自分」だったりを、自分の本質だと思ったりします。
それ以外の自分は「私じゃない」から認めてあげない。「こうでありたい自分」で四六時中いたいけど、かなわない。「それ以外の自分」を否定してしまっています。
高い理想を掲げること自体は悪いことではありません。なりたい姿があることは、モチベーションの源泉になるでしょう。「いまのままじゃだめだ」と思うことも、それ自体は悪くない。現状を否定するところから、挑戦が始まることはよくあります。
でも覚えておいてほしいのは、高い理想や現状の否定は「自分を信じる心」とセットじゃないとよい方向に働かないということです。「いまの私のままでも大丈夫」だけど「もっとこうなりたい」からがんばる、というのなら弊害はありません。「いまの自分はダメだ」からスタートすると、「あるべきじゃない自分」を肯定できずに苦しむことになります。自分を否定するのはしんどいです。
西洋占星術が教えてくれるのは、いろんな価値観が自分のなかにあってよいということ。「失敗したらダメ」という価値観もありますが、「失敗するのは挑戦しているから。失敗できることはすばらしい」という価値観もあります。「自分の思いどおりにできないのは嫌だ」という気持ちもあれば、「自分の思惑を超えたことをすると、新しい発見があり楽しい」という気持ちもあるわけで。あなたのなかにもたくさんの考え方が眠っているのです。
「本当の自分」なんていません。いるとしたら、あなたはいつも「本当の自分」で生きています。どんな自分も否定しないであげてください。一面しかなければダイヤモンドでさえ輝きません。多面体だからこそ、キラキラするのです。あなたが「本当ではない自分」も愛せるようになったとき、ひときわ輝きを放つことでしょう。
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★毎週月曜日18:30配信予定。次回もお楽しみに!
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PROFILE:暮れの酉
大阪ミナミの老舗占い館で、18年間人気No.1の座に君臨。古今東西の占術を古典から深く学び、練り上げてオリジナルの「鳳凰数術」を考案。2022年2月初の書籍『暮れの酉の繊細な人のための鳳凰数術占い-名前と生年月日でわかる生きやすくなるための方法』(ヨシモトブックス)を発売。個人鑑定はからファンコミュニティから受け付け中。
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