誰かの言葉に傷つきやすいあなたへ【暮れの酉 幸せに気づくエッセイ♯3】
誰よりも幸せになるべきは自分
アメリカでは医療の現場でも活用されている「マインドフルネス瞑想」のなかに「慈悲の瞑想」というのがあります。心のなかに思い浮かべた人の幸せを願う瞑想です。「自分」の幸せを願い、次に家族や恋人、友人など「大切な人」の幸せを願い、どんどん範囲を広げていき、最終的にはすべての存在に慈悲の心を持つことを目指します。注目してほしいのはこの順番です。まず幸せになるべきは自分なんですよね。
モンスターに立ち向かう前に、心ない言葉に傷ついた自分を癒やしてあげましょう。現状がどうであれ、日々がんばっているところはあるはずです。「やって当たり前」なんてことはひとつもありません。朝起きるのさえ、家を一歩出るのでさえがんばっているのです。努力している自分をほめてあげましょう。たまには甘やかして、ごほうびをあげてください。傷ついた言葉の何倍も、あなたの素晴らしさを言葉にしてみるのもいいでしょう。
自分を甘やかすのが苦手なら、小さな子どもだと思ってみてください。一生懸命がんばっているけなげな子どもです。涙を浮かべてじっと耐えている小さな子どもが目の前にいると想像してください。モンスターなんかにかまっている暇なんてありません。まず、この子を癒やしてあげることに時間も心も使ってみてください。
好きなことに没頭するのもいいでしょう。僕はひたすらゲームに打ち込んだりします。楽しい世界に自分を投影しているだけでも癒やされるものです。甘いものでも推しの動画でもカラオケでもなんでもかまいません。自分をなぐさめる方法をいくつか用意しておくことは、緊急避難所を持っておくようなものです。ちゃんといたわってあげて、傷が癒えるころには、ほうっておかれたモンスターは弱っています。その存在さえ消えてなくなっているかもしれません。
僕たちはよく他人の心を推測しますが、どれほど考えても他人の心のなかを知ることはできません。人の心は気まぐれで合理的ではなく、自分でさえつかむことができないもの。あなたを傷つける言葉を発した人の心のなかに、憎しみがあったのか、嫉妬があったのか、渇きがあったのか、悲しみがあったのか、もしくは何もなかったのか。それを知ることは永遠にできません。ただ確実に言えることは、幸せに満たされた人は誰かを傷つけようとは思いません。もしあなたを傷つけようとしたなら、その人の心のなかには苦しみがあるということ。誰も傷つけなかったあなたより不幸なのです。誰かを傷つけずにいられないくらい不幸な人を目の前にしたとき、果たして凶悪なモンスターに見えるでしょうか。
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★毎週月曜日18:30配信予定。次回もお楽しみに!
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PROFILE:暮れの酉
大阪ミナミの老舗占い館で、18年間人気No.1の座に君臨。古今東西の占術を古典から深く学び、練り上げてオリジナルの「鳳凰数術」を考案。2022年2月初の書籍『暮れの酉の繊細な人のための鳳凰数術占い-名前と生年月日でわかる生きやすくなるための方法』(ヨシモトブックス)を発売。個人鑑定はからファンコミュニティから受け付け中。
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