疲れたと感じているあなたへ【暮れの酉 幸せに気づくエッセイ♯7】

2025.06.30 LIFE

「ねえ、がんばったからほめて!」

 

僕の知り合いのご家族がやっているのは「ほめてよ」と言い合う制度。日常を共有してしまうと、すべてのことが「当たり前」になってしまって、相手がどれほどがんばってくれているのかが見えなくなってしまいます。誰かにとっていともたやすいことでも、ほかの誰かにとっては努力を要することだったりします。家族といえども、自分以外の人の努力はわかりづらいんです。だから、気づいてもらうのを黙って待つんじゃなくて、こちらから「私、すごくがんばりました」と伝えてほめてもらうんです。

 

「疲れてるのにお風呂洗ったからほめてよ」「やりたくないのに食器洗いしたからほめてよ」「靴下脱ぎっぱなしにしなかったからほめてよ」。誰かから見たら「やって当たり前」なことでも、がんばってやったならほめ合う。そうすると自分だけががんばってるんじゃないことがわかるので、ひとり相撲のつらさがなくなるそうです。

 

「ほめてよ」なんて言い合える距離感じゃない関係に疲れたときには、期待するのをやめるか、疲れない範囲でしかつきあわないようにするか、どちらかです。思春期の子どもにあれこれやってあげても、ウザがられるだけで感謝の言葉なんて返ってきません。自分ひとりで何にもできないくせに生意気なことばかり言って、と腹を立ててもむなしいだけ。大人になるための通過儀礼をこなしているのだとあきらめるほかありません。

 

職場のつきあいやママ友など、苦手な人とつきあわざるを得ないときは「どこまでなら疲れずにつきあえるのか」を考えて線引きをしましょう。パパッとその場で片づけられる頼みごとは聞くけれど、それを超えたら嘘をついてでも断る。それもありです。やるときは面倒な仕事も引き受けるけれど、つきあう回数を減らす。そんなふうに関係性を維持しながら、疲れを減らすつきあい方を模索していくほかありません。

 

それ以外にも、親の介護や親戚の世話など逃げられない人間関係で、いくらやってあげても報われないことってたくさんあると思うんです。周りを見ても、自分より苦労している人がいないように見えてしまう。自分だけがなんだか損な役割をしているような気がする瞬間って、すごく孤独でさびしい。いくら工夫しても免れない、そんな疲れを抱えている人は「愛」を思い出させてくれる瞬間を大切にしましょう。推し活でもいい。ヒューマンドラマを観てもいい。つかの間、非日常の「愛」に触れてみる。そんな時間は、冷たい体を温めてくれるココアのように、疲れた心に癒やしを与えてくれるはずです。

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★毎週月曜日18:30配信予定。次回もお楽しみに!

 

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PROFILE:暮れの酉

大阪ミナミの老舗占い館で、18年間人気No.1の座に君臨。古今東西の占術を古典から深く学び、練り上げてオリジナルの「鳳凰数術」を考案。2022年2月初の書籍『暮れの酉の繊細な人のための鳳凰数術占い-名前と生年月日でわかる生きやすくなるための方法』(ヨシモトブックス)を発売。個人鑑定はからファンコミュニティから受け付け中。

 

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