泣きたくても泣けないあなたへ【暮れの酉 幸せに気づくエッセイ♯８】

〝いい子〟じゃなくていい。自分と向き合って、自分の気持ちを見つける

まずは自分の気持ちに気づいてあげることから始めませんか。心はちゃんと信号を送ってきてくれます。なんとなくやる気にならない、気持ちがモヤモヤする、なんか気が進まない……そういうのはすべて心からのSOSです。無視しないでちゃんと耳を傾けてあげましょう。ネガティブな感情を持ってしまっている自分を否定しないでください。

占いに来るお客さまのなかには「こんなことでくよくよしてちゃダメですよね」と、自分の気持ちを「こんなこと」呼ばわりしてしまう方がよくいらっしゃるんです。ダメですよ、自分の気持ちがいちばん大事なのに「こんなこと」呼ばわりしては。「持つべきでない気持ち」なんてないのです。どんな気持ちであれ、あなたが抱いた気持ちは大切なんです。いい子じゃないからって悪い子じゃないんです。

暗い海の底に沈んでしまったように、自分の気持ちが見えないとき、ふとした言葉がフックとなって引き上げてもらえることがあります。友達のなにげない言葉かもしれませんし、映画やドラマの主人公が口にしたセリフかもしれません。活字として目の前に現れるかもしれません。現実逃避してプレーしていたゲームの主人公のセリフに「そうそう、そう感じていたんだ！」と思わず声を出してしまいそうなこともありました。なにげない言葉が、心の奥底に眠っていたものを引き上げてくれ、形のない思いに言葉を与えてくれます。そうした経験がフックになって、自分の気持ちを言葉にしていくなかで、いままで気づいてなかった自分の気持ちを見つけることもあります。占いの現場でも、占い結果としてお伝えした言葉がフックとなり、せきを切ったように言葉があふれ出すことがよくあります。