「もう限界」怒鳴られながら電車に乗った私が、夫を振り切って向かった先と“支配の鎖”を断ち切った瞬間
モラハラ加害者の「言い訳」に潜む心理とは
A子さんの両親が夫との話し合いで耳にしたのは、謝罪の言葉ではなく、自分を守るための「言い訳」の数々でした。その言葉には、モラハラ加害者特有の心理が色濃く表れています。
① 「悪意はなかった」で責任を回避する
「そんなつもりじゃなかった」「悪気はなかった」と繰り返す夫の言葉には、自分の言動の“結果”への責任は一切感じられません。
彼が主張しているのは「自分の心には悪意がなかった」という一点だけ。それは、まるで「悪意がなければ加害にならない」と言わんばかりの、自己中心的な論理です。
こうした言葉は、被害者が受けた苦しみに目を向けず、自分の“意図”だけを盾にする卑怯な言語操作だといえるでしょう。
② 被害者のせいにして、自己正当化する
「話し合ってくれなかったから」「神経質すぎるんだよ」など、相手の性格や対応に原因をすり替えるのも典型的なパターンです。
これは、自分の問題行動を直視せず、「悪かったのは自分ではなく、相手のせい」とすり替えることで、自己を正当化しようとする防衛反応にすぎません。
③ 支配が崩れそうになると、焦りが噴き出す
「まさか出て行くなんて思わなかった」「離婚までは望んでいない」──そんな言葉の裏にあるのは、A子さんへの愛情ではなく、「自分の思い通りに動いていた存在を失いそうになった焦燥感」です。
モラハラ加害者にとって、配偶者は「愛する存在」ではなく、「自分を満たしてくれる便利な存在」になっていることが少なくありません。
A子さんは、こうした言い訳の数々を両親から聞いたとき、はっきりと感じました。
「夫は何も変わっていない」
そして、心のどこかに残っていた小さな“情”も、すっかり消えていきました。もう、夫の言葉に揺さぶられることはなかったのです。ようやくA子さんは、自分の心だけを見つめ、自分の気持ちを大切にする準備が整ったのです。
何度も飲み込んできた「私が悪かったのかもしれない」という問いを、ようやく手放すことができた瞬間でした。
前編「モラハラ夫との『家族旅行』は地獄の時間。鬼の形相で怒鳴る夫と観光し、限界を迎えた妻が黙って向かった先は」に続く後編です。
スポンサーリンク









