父90歳。「シニアカー」初めての試乗で見せた、予想外の反応とは? 頑固に「拒否る」父を一発で説得できた「ニセ仕事」作戦【父の免許返納物語】

2025.07.19 LIFE

こんにちは、オトナサローネ編集部の佐々木です。

 

離れて暮らす実家の父が「免許返納」を決めて、愛車を手放しました。移動手段がなくなった父母は、家に引きこもりがちに。私はいろいろ調べてみた結果「シニアカー」の存在を知り、父母に試乗してもらおうと思ったのですが……。

 

>>>「シニアカーって何?」「どこで売ってる?」などはこちらで紹介しています。

【関連記事】父90歳。「シニアカー」って? 免許返納後の移動手段になるの? 買ってあげたいけれど、いろいろ壁が高かった!【父の免許返納物語】

 

今回はこの「シニアカー」試乗について、情報をシェアしたいと思います。「親の免許返納問題」について、少しでも参考になるとうれしいです。

 

*撮影協力/スズキ自販東京

 

 

父の頑固な「拒否グセ」を攻略せよ! 想定外の威力を発揮した「ニセ仕事」作戦とは?

年をとると新しいことに拒否感を強く感じることがあるらしいですが、父はかなりのツワモノです。姉と私は、過去に「エアコン」や「テーブル型こたつ」を実家に導入しようとして、ひどい目にあいました。

 

「娘に迷惑をかけたくない」ということなのか、自分の家に手を入れられるのが気に入らないのか、とにかく「いらね!」の一点張り。どんなに説得しても、かわいがっている孫を動員してもダメ。電話中、一方的に切られたことも一度ではありません(笑)。

 

そんな体験から、姉も私もシニアカー試乗に関しては慎重でした。絶対にまた父の「拒否グセ」が出るに決まってる! どうやって試乗を説得するか、悩んでいたのですが……。

 

私、突如ひらめきました! ことこまかに姉と口裏合わせをし、何度も文章を推敲してから、父にメールをしました。

★クリックすると拡大できます

ズバリ、「ニセ仕事」作戦です。メールをしてからじりじりと待ちましたが、10分、1時間、1日たっても父からの返信はなし。姉に相談したところ、「便りがないのは、いい知らせ~」的なことを言われました。

 

数日後、口実を作って父に直接会うことに。すると父は、予想だにしなかったひとことを放ったのでした。

父「バイク、買ったのか? 電車で持って来られないだろう。どうすんだ?」

 

えーーーっ、試乗を飛び越えて、購入もオッケーだったのかっ!? 余計な心配をしたと心底ほっとし、説明したとたん

父「俺はいらないぞ。ウチの前を赤いのに乗ってる人が通るけど、カッコ悪い。男の人は乗ってるの見たことないよ。年取った女の人ばっかり! いらね!」

 

出た―――! 父の「拒否グセ」。こうなると、もう駄々っ子のように「いらね、いらね!」と繰り返し、てこでも動きません。急に、試乗が雲行き悪くなってきました。

 

私「とにかく、私の仕事だから!乗ってるところ、撮影させて。協力してよ」

父はしばらくブツブツ言っていましたが、承諾してくれました! 「仕事」ワード、思った以上のパワーを持っていました。頑固な親の説得に困ったら、おすすめです!

 

ちなみに後日、編集長にこの顛末を話したところ、記事にしようということになりました。「ニセ仕事」作戦はめでたく現実となり、今こうして原稿を書いています!

 

 

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