蔦重が、ていとの「ビジネス婚」に託した思いとは? 偏見を乗り越え“日本橋進出”を果たした蔦重のこれからは…【NHK大河『べらぼう』第25回】
また、蔦重は道に積もった灰の片付けにおいて灰捨て競争を提案しました。なんと、勝った組には10両出すという太っ腹ぶり。蔦重は「遊びじゃねえから遊びにすんじゃねえですか」「面白くねえ仕事こそ 面白くしねえと」と、村田屋の主人・治郎兵衛(松田洋治)に反論していましたが、この言葉が印象的だった視聴者は多いのではないでしょうか。積もった灰の片付けのようにやらなければならない仕事は暮らしの中に存在します。蔦重のように遊びではないものを遊びにし、面白いものにしようという考え方ができれば、退屈な日常も少しはマシになりそう。

蔦重(横浜流星) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」25話(6月29日放送)より(C)NHK

通油町の人びと 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」25話(6月29日放送)より(C)NHK
提案者である蔦重は誰よりも真剣、かつ率先して灰が入った桶を持って走っていました。一生懸命に走る蔦重を見ていると、“この男をいっちょ信じてみるか。な〜んか頼もしいぞ”と思えてきます。
競争中にハプニングも…。蔦重は灰が入った最後の桶と一緒に川に勢いよく落ちました。川からなかなか姿を現さない蔦重を鶴屋の主人・喜右衛門(風間俊介)を含む町の人びとは固唾を呑んで見守っていました。

鶴屋の主人・喜右衛門(風間俊介) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」25話(6月29日放送)より(C)NHK
蔦重が川から出てきて、「誰か助けてくれると思ったんすけどね」と笑いを誘うと、喜右衛門は蔦重のこの一言ににこやかな笑みを浮かべました。喜右衛門は地本問屋の主人の中でも蔦重に批判的で、彼を退ける企みを思い浮かべながら薄気味悪く微笑むことが何度もありました。そんな彼が蔦重に心を許し、初めて心から笑ったのです。
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