放送禁止ギリギリの下世話ワードが爽快な女4人の友情『ラブラブエイリアン2』
「女の友情は儚い」と聞くけれど、そんなことを望んだ女性はどれだけいるのだろうか。1日は24時間しかないのに、そのうち日々8時間を仕事に占拠されている。残りわずかな余暇は好きな男性にだって会いたい。ついでに睡眠時間は確実にキープしたい。そうなると単純に友情に費やす時間が足りないだけのことで、友情を無下にするつもりなんて毛頭ないのだ。できることなら友達にも会っていろいろ話したいのに。
そんな働くアラフォーの心情を突くようなドラマ『ラブラブエイリアン2』(フジテレビ系・毎週月曜・24:55〜)が放送中。どこがどんな風に視聴者を揺さぶってくるのか? そのポイントを探っていこうではないか。
女の口の悪さも本音も上等! の気持ち良さ
あらすじ:石橋園美(新木優子)と松永ミコト(野崎萌香)が暮らす一軒家に、再び現れた宇宙人の2体。人形のように小さな体で次から次へと不思議な力を使って、園美たちのトラブルを解消してくれる。口癖は「NASAには言わないで」。一軒家にたびたび訪れる友人・サツキ(太田莉菜)とチズル(久松郁実)の相談にものる宇宙人。さて今日は4人からどんなお願いが飛び出すのやら?
男と女、友情、仕事……そんな内容をドラマ化した作品はゴールデンタイムに数多く放送されている。『ラブラブエイリアン2』も扱っているテーマは前出とさほど変わらない。じゃあ何が違うのか? といえば放送禁止ギリギリに近いセリフがポンポン飛び交うことである。
第一話では専業主婦を強要する彼氏から逃げるため、ミコトが園美たちの元に逃げてくる。仕事を続けたい、専業主婦なんてまっぴらごめん。ブチ切れたミコトは彼氏を強烈に罵倒する。
「こいつ、女を(セックスするための)穴と(子供を生むための)袋としか思ってないんスよ!」
ゴールデンタイムに放送したら速攻で各所から苦情の電話がかかってきそうである。さらにこのセリフを面白くさせるのは4人の言葉使いの荒さだ。酒をどうしてもやめられないサツキは
「検事っていう仕事を今まで培ってきた学歴や知識、スキルでやってると思ってんでしょう? ……そんなわけねえだろ、全て酒で乗り切ってんだよ!」
と、理解不能の自己主張を展開。もう可愛いの域に突入している。ちなみに私がシリーズ1で印象に残ったのは宇田川由日子(森絵梨佳)が放った
「てめえらのレベルで簡単に女が抱けると思うなよ! 優しくて生活力のある男しか、タダで女とやれないシステムになってんだよ、この日本は!!」
このセリフ。聞いた瞬間、軽く興奮しました。こういうゴールデンタイムには絶対ランクアップできないような下世話さがこの作品のツボなのだ。
愛情、友情、欲情。この三つ巴が揃った深夜の爽快コメディドラマ
ドラマだからこそ、の話だけど4人はものすごく仲がいい。宇宙人や園美が住むシェアハウスにしょっちゅう集合している。みなさんも学生の頃を思い出して欲しい。お金はなかったけれど時間だけはあって、意味なく集まって、遊んで……そんなゆるい時間。時にはケンカもするけれど、すぐに仲直り。毎日一緒にいるのに飽きもせず続くくだらない会話。
大人になるとなかなかキープするのが難しくなってくるそんな贅沢な時間がこの作品には詰まっているのだろうな、と思う。
世間では「男は一生、中二病」だとよく言われていて、そのひと言ですべて許されると思っている風潮は否めない。ならば「女だって一生、高二病」と主張してもいいじゃないか。そういう大人の女の主張が詰まったドラマこそ『ラブラブエイリアン2』なのだ。
シリーズ2を迎えて4人のキャラクターが一斉に力強くなっている。そして反するように主役クラスの宇宙人の存在が薄くなっているのは否めないけれど、また来週月曜深夜が楽しみでならない。そして(録画を)見終わったら女友達に電話しよう。あいつ、どうしているかな。