72時間、あなたの「防災リュック」で生き抜けますか? 防災リュックに「入れるべきもの」とは

2025.08.02 LIFE

防災リュックは「非常持ち出し袋」と「3日分の生活セット」に分割すべき! それぞれの中身は?

1名分の「全部入り防災セット」を並べてみました。避難所まで移動するための装備、避難所で快適に3日間生活するための道具を、妥協せずに準備すると写真の様になります。

 

登山装備のようにも見えますが、小型軽量の登山用品は用いておらず、さらに停電・断水を想定し、水や食料の現地調達も考慮していないため、登山装備よりも物品数や重量は多くなっていると思われます。

 

特に目立つのが、写真右上のエアマットや毛布など、就寝環境を整えるための道具と、写真最前列にある3日分の水・食料・着替えなどです。この写真の道具を全てリュックへ詰め込んだ際の重量は13.5㎏程度になります。

 

日頃からリュックを背負い慣れている方であればよいですが、そうでない方がこの荷物を積めたリュックを背負った場合、重量が重く避難に支障が生じる恐れもあります。

 

そのため、避難用の道具は複数のバッグに分割することをおすすめします。背負った際に楽に歩ける重さに制限をし、重要物品だけをいれた「緊急避難用の小さなリュック」と、避難所で生活をするための物資を詰め込んだ「生活用の大きなバッグ」です。

 

余裕がある状況、車両を使った避難などをする場合は全てを持ちだし、余裕がない場合は小さなリュックだけを背負って逃げるのです。

 

 

≪非常持ち出し袋≫

●緊急避難用の小さなリュック

持ち出せないと命にかかわる物、生活ができなくなる物など、大切な物を厳選して詰め込むリュックです。楽に背負って避難場所・避難所まで移動できる大きさ・重さにすることが重要ですので、詰められる防災グッズの量は人により異なります。

 

重たいリュックを背負い慣れていない方であれば5㎏程度、体力と筋力のある方であれば20㎏以上、試しに背負いながら量を調整しましょう。

 

 

●家族や子どもが背負うサブリュック

上記のリュックは、家族全員が使用するものと、メインで背負う方の装備を入れますが、家族が2名以上いる場合は「サブリュック」を人数分作成すると役立ちます

 

入れる物としては、サブリュックを背負う人が身につける装備品、個別の寝具、着替え、飲料水・食料品、その他消耗品などです。

 

子どもがいる場合は、子ども用品を入れた専用のリュックを作
成するのもおすすめです。

 

 

≪3日分の生活セット

●生活用の大きなバッグ

テントや寝具、3日分の水・食料・着替えなど、「多いほど役立つが、なくてもすぐに死なない」道具は、スーツケースや旅行用のカバンなど、緊急避難用の小さなリュックと別に準備すると便利です。

避難時に余裕があれば、両方の荷物を持って行けばよいですし、まずは小さなリュックのみで避難、その後避難先から自宅へ戻り、大きなカバンを持ち込んでもよいでしょう。

 

 

【関連記事】では、備え・防災アドバイザー髙荷智也さんが語る「実は防災リュックに忘れがちな最重要アイテム」を紹介しています。

>>【関連記事】≪防災リュックの中身≫大事すぎて、かえって忘れがちな「最重要」防災アイテムとは? 入れ忘れ防止のポイントは「買い替えどき」

 

 

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■著者 髙荷智也(たかに・ともや)
合同会社ソナエルワークス代表
備え・防災アドバイザー

1982 年、静岡県生まれ。「自分と家族が死ななための防災対策」と「企業の実践的BCP 策定」のプロフェッショナル。備え・防災・BCP 策定に関する、講演・コンサルティングで日本全国を飛び回る。大地震や感染症パンデミックなどの防災から、銃火器を使わないゾンビ対策まで、堅い防災を分かりやすく伝えるアドバイスに定評があり、メディア出演も多い。著書に『中小企業のためのBCP 策定パーフェクトガイド』(Nana ブックス)、『今日から始める本気の食料備蓄』、『今日から始める家庭の防災計画』、『食料備蓄はじめてBOOK』(徳間書店)などがある。

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