今、子どもがいない女性こそ考えたい。地域や境遇、世代のつながり

2016.10.26 LIFE

子どもがいないので当然ですが、“おこなしさま”には「ママ友」がいません。そのため「ママ友の世界」については、正直よく分かりません。ママ友同士のお付き合いの大変さなどは聞いたことはありますが、子育ての悩みや情報を共有できるネットワークがあることは心強いことだと思います。

一方、“おこなしさま”特有のネットワークは、あまり存在しません。職場の仲間や昔からの友人が、たまたま独身または既婚者でも子どもがいない者同士だったりすると、そのまま継続したお付き合いが続いていくケースが多いようです。逆に周りの環境が子どものいるママ達ばかりだと、孤立感を感じてしまうこともあるようです。

おこなしさま人口には地域差がある

 

「自分の周りは子どもがいる人たちばかりで、話が合わなくて寂しい思いをしています」と地方に住む女性から、メッセージをいただいたことがあります。結婚や子どもの有無は、県民性で差があります。それゆえ地域によっては、同じ境遇の女性が周囲に少ないこともあるでしょう。

 

国立社会保障・人口問題研究所の「都道府県別の性別生涯未婚率」(2010年度)をみると、男女とも東京都がトップ。女性の全国平均が10.16%のところ、東京都の女性は17.37%と突出して高く、最下位である福井県の5.64%に比べて、11.73ポイントの大きな開きがあります。

 

さらに、厚生労働省・人口動態統計の「出生率」(2015年度)では、全国平均が1.46のところ東京都は1.17と全国で最下位。そのため東京にいると、結婚をしていない、子どもがいない女性が大勢いるため、孤独感や疎外感を感じずに過ごせます。そうはいえども、将来に向けては子どもがいないからこそ、ネットワークの重要性は感じています。

 

同じ立場を分かち合える仲間は心強い存在

 

一般的に女性は男性よりも共感性が高く、同じ境遇や似たような悩みを抱えた者同士だと、素直に愚痴が言えたり、相談できたりしますよね。「そう、そう」、「わかる、わかる」と、共感してもらうことで気持ちが楽になったり救われたりします。子育ての大変さや苦労をママ友同士で分かち合うように、“おこなしさま”ならではの悩みもあります。

 

結婚を望んでいたのに縁に恵まれなかったり、子どもが欲しかったのに授からなかったり、願っていたことが努力したのに叶わないと、敗北感を味わってしまうことがあります。また、職場では子育て支援優先のあおりで仕事量が増えたり、逆マタハラ行為に憤慨したりと、子どもがいないからこそ感じる不満はあるのです。その想いを一人で抱え込まず、誰かに話すだけで気持ちがスッキリします。なにより、同じ境遇の仲間がいるというだけで心強く感じるものです。

 

ママ達のつながりは色々あるのに、“おこなしさま”のネットワークがないと感じていた私は、「子どもがいない女性限定」の会を不定期で開催しています。ただ食事をしながらおしゃべりをする会や、気持ちを吐き出すことを目的にしたものもあります。周囲に子どもがいる女性ばかりの方にとっては、貴重な場として喜んでもらえています。

 

単に子どもがいないといっても、そこに至るまでの背景は様々で、一人一人に物語があります。話を聞いているだけでも色んな気づきを得られて、考えの幅が広がります。40代以降にもなると人生や仕事の経験を重ね、それぞれの立ち位置で力を持っていたりします。思わぬシナジー効果で、面白いことに発展することもあります。“おこなしさま”は子どもを通じた交流ではないので、無理に付き合いを続ける必要がないところも気楽です。

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