もしも「貯金ゼロで親の介護」に突入したら、自分の老後のお金はどうなる?

寒い毎日が続いていますが、日差しに少しずつ春の気配を感じます。春は新しい暮らしを始める人が増える季節。そんな時は、気持ちの準備も必要ですが、経済的な計画性も大切です。

今回は、新生活を始める前に相談にきた、R子さんのケースです。

 

40代クラブママから一転、田舎で親の介護

R子さんは、東京在住の47歳独身の女性です。20代でスナックのアルバイトをしたことがきっかけで水商売の世界に入り、今では赤坂の小さなクラブでママをしています。

長野県の実家には両親が二人で暮らしていますが、最近具合が思わしくないのが気がかりです。この半年の間に、父と母がそれぞれ入院をしてしまい、R子さんはその都度実家と東京を行ったりきたりしていました。

最近は少し落ち着いてきたようですが、年齢を感じさせる両親の姿を見たR子さんは、長野に帰ろうかと考え始めています。それとなく父や母に話してみると、R子さんが同居してくれたら「とても嬉しい、心強い」と喜んでくれたのも気持ちを後押ししています。

 

そこで気になるのがお金のこと。

R子さんはママをしているクラブに借金をしています。店に通いやすいところにマンションを借りた際の資金と、常連客の売掛金が借金となっているのです。

 

借金を返済すると貯金はゼロに

R子さんには貯金が200万円ほどありますが、店の借金を返済するとほとんどなくなってしまいます。

R子さんの両親は、R子さんが身ひとつで帰ってくればいい、同居すれば生活費くらい面倒見る、と言ってくれているので借金は返済して、長野で0からスタートするのも悪くない、と思っていました。

長野での暮らしに慣れたら働きに出て、老後資金はそれから貯めていこうとのことでした。

相談当初、R子さんは長野に帰ってから始めたい、自分の老後資金の準備について情報収集をしたかったようでした。しかし、話を聞いているうち、0からスタートすることはとてもリスクが大きいので、そこから提案をすることになりました。

 

老後資金は「平均寿命」をかけて計算できる

老後資金は、月々の生活費のうち、公的年金でまかなえる分を差引いた金額に、平均寿命分の月数を掛けると計算できます。

総務省調べによると、60歳以上の単身世帯(女性)の生活費は、仕事を持っている人で月約16万8000円、仕事をしていない人では、月約15万円です。それに対して、公的年金は、R子さんの場合を試算すると月約7万円。

差し引き8万円を、70歳から90歳までの20年間必要とするなら、それだけで1920万円になります。

R子さんが、現在の貯金をすべて使い果たしてから新生活をスタートさせるのは、大切な資産形成のための元金を使ってしまうこと。ここは思いとどまって、貯金には手をつけず、借金返済については両親を頼ってはどうかとアドバイスしました。

 

年間100万以内なら贈与税はかからない

父と母、それぞれから借金返済のための資金を援助してもらっても、年間100万円以内ということであれば贈与税はかかりません。

また、両親がR子さんの生活費の面倒を見るといっても、どれほどの根拠があるかも実のところ不明です。親子であっても、お互いの貯蓄残高を初めとする資産状況はわからないもの。

今後、両親の医療や介護にお金がかかり、R子さんの生活費まで手が回らない可能性もあるのです。厳しいようですが、現実的に考えて自分自身の資産はきちんと確保し、経済的に依存しすぎないようにすることが大切です。

 

R子さんはその後、両親と相談し、東京からの引越し資金の援助という名目で両親から借金返済のためのお金をもらいうけ、長野に移りました。

長野でも仕事をみつけ、両親と元気に暮らしています。

東京とは違った環境で頑張るR子さんには、いつまでも元気にしてほしいと思いました。

 

タケイ啓子

スポンサーリンク

この記事を友達に教えたい!と思ったら、シェア!

 

この記事が面白かったら

「いいね!」してね

 

「信じられるのはお金だけ」世代!? 40代の平均貯金額とは

「信じられるのはお金だけ」という名言を残したマツコ・デラックスさん。老後のことを考えてお金を貯めているとのことでしたが、この言葉に激しく同意したアラフォー女性は…

年収300万と400万では結構違う?「お金の貯め方」のコツ

私のところには「無駄遣いを減らしたい」「お金を貯めたい、増やしたい」というご相談でやってくる40代女性が多いのですが、年収によって「お金の貯め方」のコツは違います…

お弁当越えのコスパ!「ランチ1回140円」で済ませる裏ワザ

お弁当vs外食ランチの差は一ヶ月どれくらい?仕事もプライベートも何かと忙しい40代。朝早く起きてお弁当づくりするのは大変です。話題のお店でご褒美ランチを楽しむことは…

気付けば貯金が300万円!年収300万円会社員が実行した3つのルール

貯金とは、「楽しみの先延ばし」です。お金を使わないでいることは、何かを我慢することになります。たとえば、新しい服とか、新しい家電とか。そういったものを得られる楽…

ほったらかしでも貯まる!「お財布を休ませる」方法って?

触れない日はないといえるお財布。私たちも休みがないと疲れ切ってパワーがなくなってしまうように、お財布も休みがないとお金が貯まるパワーがなくなってしまいます。お金…

40代は借金世代!? 40代の平均「住宅ローン」残高とは

40代で住宅ローンを抱えている人の平均残高はいくらくらいなのだろう? 先日、アラフォーのときに都内の2LDKマンションを購入した知人の40代後半独女が「今年じゅうには住…

年収400万と500万、年間貯金額はこんなに違った!100万貯めるコツ

どうもお金が貯まらない、自分はムダ遣いばかりしている、そんな風に感じている方も多いのではないでしょうか? 昇給があまりされなくなった現代において、となりの人はど…

銀行口座を分けるだけで月5万貯まる?カンタン貯蓄の仕組みづくり

貯蓄は必要だと思っても、お財布にお金が入っているとついつい使ってしまうものです。かといって、我慢ばかりではストレスがたまって逆効果。貯蓄を成功させるには、手間が…

通勤にバス定期券を買うと月に2,390円も損?知らなかった「バス特」活用

通勤にバスを利用している方も多いのではないでしょうか。バスも会社から定期代が支給されているから、と鉄道と同様に定期券を購入していませんか。実は損をしているかもし…

月の手取り23万でも年100万円貯めた!40代女性のテクニック

1ヶ月の手取りが23万円、ボーナス37万円が年に2回、合計で1年間の手取り年収350万円。そんなに多い方ではないかもしれないこの年収で、1年間で100万円貯めた女性がいらっし…

50代になる前に、清算しておくべきお金のこと3つ

50代になると、いよいよ老後の暮らしが現実的になってきます。身の回りのあれこれを断捨離するなど、いらないものを整理して身軽になると同時に、老後への貯えもさらにすすめていきたい年代です。その大切な50代に、…

「1000万円貯蓄する人が買わないもの」とは?ごくごく普通な3つの答え

貯蓄をするなら、1000万円を目標にする人が増えています。40代で、1000万円以上の貯蓄がある人は20.2%*。この数字からは、決して無理な金額ではないようにも思えます。しかし、1000万円の貯蓄をする人は、そうでは…

貯金を短期で一気に増やしたい!1ヶ月で10万以上貯めるコツ10連発

暮らしを改めて、これからはずっと節約をしていけば貯金は増える、と頭では分かっていてもそれはちょっと大変そう。そう思ってなかなか節約生活に切り替えられない人は少なくありません。それなら、期間限定で節約し…

40代独身の平均貯金額が936万って本当?全然足りない私はどうすればいい?

大人の女性であれば、あふれる情報に振り回されすぎることもなく、自分のペースで着々と貯金をしている方が多いようです。人は人、自分は自分、という価値観は大切ですが、そうはいっても気になるのが他の人の貯金事…

40代で1000万円貯める人が2割もいる?コツは「自動」と「移動」

40代の平均貯蓄残高は588万円(金融広報中央委員会、「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成28年)」)。その2倍近くの1000万円を貯めるのは、とてもハードルが高いように思えますが、本当にそ…

【お金の失敗】40代のダメ貯金と、成功した貯金を分析してみたら…?

貯蓄法は数々ありますが、残念ながら成功するとばかりは限りません。頑張ったのに失敗した時のやるせなさは、実際にお金が貯まっていない現実とあいまって、心身ともにダメージを与えます。今回は、FPとしてさまざま…

【勝手に貯まるオンナ】頑張らないでも貯金が増える!5つのチェックリスト

貯蓄を頑張っても貯まらない女性もいる一方で、頑張らなくても貯まる女性もいます。自分は貯まる女性なのか、気になる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、5つの設問を用意しました。設問に答えることで、…

貯金が苦手な人必見!40代からの「貯まる家計簿づけ」のコツって?

家計簿をつけていても、お金はなかなか貯まらないと思っている人は少なくありません。一念発起してつけはじめた家計簿も、効果が見えてこないと続かないものです。しかし、貯蓄のためには支出のコントロールは必須。…

ほっといてもお金が寄ってくる!お金に好かれる意外な「3つの口ぐせ」

昔から、「金は天下のまわりもの」と言われますが、自分のところにはあまりまわってこないなぁ、と感じている人もいるのではないでしょうか。自分のところに、より多くまわってくるためにできることは数々ありますが…

「節約疲れ」にサヨナラ! 楽しくお金を貯める3つの心得

節約は大切です。こまめに節約することで、支出を抑えて貯蓄を増やしたいですね。しかし、いつも節約をしていると、いつの間にか疲れてしまいます。疲れをそのままにしていると、ある時我慢の限界がきて、一気に節約…

スポンサーリンク

スポンサーリンク

注目の記事

MONEYに関する最新記事