「この子が壊れる前に逃げなければ」夫の学歴支配から息子を守るため、母が選んだ決断
調停とはどういうものか
家庭裁判所で行われる「調停」は、夫婦の話し合いが成り立たないときに、第三者(調停委員)を交えて合意を目指す手続きです。申立ては家庭裁判所に書類を提出して行い、費用は数千円程度。収入印紙と切手が必要です。
申立てから第1回目の調停期日が決まるまでは、通常1か月前後。1回の調停は1〜2時間ほどで、1か月ごとに数回行われるのが一般的です。内容によっては半年以上かかることもありますが、まずは「話し合いの場を持てる」ということ自体が大きな一歩となります。
調停当日、Kさんが部屋に入ると、男女1人ずつの調停委員が待っていました。
「私たちはあなたの味方でも、ご主人の味方でもありません。中立の立場でお話を伺います」
そうやさしく声をかけられ、Kさんの緊張は少しだけほどけました。
調停では、養育費と並んで「婚姻費用」の話も出ました。
・養育費…離婚後に子どもを育てるための費用
・婚姻費用…離婚が成立するまでの生活費(妻と子どもの生活を維持するためのお金)
この2つは似ていますが、適用されるタイミングが異なります。調停委員は淡々と説明しました。
「いまはまだご夫婦ですから、まずは婚姻費用を取り決め、離婚が成立すれば養育費に切り替わります」
調停でも夫は「ありえない態度」で 次ページ









