田沼派・蔦重、ついに反撃! 大奥も揺らす松平定信の質素倹約令と“書を以って抗う”決意
定信の世に“書を以って抗う”ことを決意した蔦重
蔦重も意次も成り上がりの男。自分の力と運で成り上がった者同士だからこそ共感し合えるものがあります。

蔦重(横浜流星) 意次(渡辺謙) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」34話(9月7日放送)より(C)NHK
「私は 先の上様のもと田沼様が作り出した世が好きでした。皆が欲まみれで いいかげんで。でも だからこそ 分を越えて親しみ心のままに生きられる隙間があった」
意次が作り出した世は自由な気風があり、源内(安田顕)のような時代の寵児、蔦重のような立身出世を成し遂げた男が生まれました。さらに、南畝のような狂歌師や吉原の遊女を描いた『青楼美人合姿鏡(せいろうびじんあわせすがたかがみ)』のような美しい本も。また、欲望は人を破滅させることもあるけれど、欲があるからこそ、生み出せるものがあります。
蔦重が意次に誓ったのは、“最後の田沼の一派として、書を以って、定信の世に抗うこと”でした。意次の世の風を守るために彼の名を貶める方法を使ってでも、意次や源内の想いを世に残すことを決めたのです。
蔦重は定信のご政道をからかう黄表紙の出版を決めました。とはいえ、お上をネタにすることが禁じられている世で、定信をあからさまに貶める表現はできません。その抜け道として選んだのは、ふんどしの守様こと定信を持ち上げ、意次を極悪人としてたたくことでした。自身も相良城を取り壊され、部下が次々と罰せられる中、意次にとっては新たな打撃となるかもしれない方法。それでも、意次は蔦重に自身の志を託すため、この方法を快く認めました。
史実では、蔦重や彼の仲間の作家たちも禁書の容疑で処罰を受けますが、本作では蔦重の運命はどうなるのだろうか。
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