改めて申したい、向井理がいい男すぎる『きみが心に棲みついた』

2018.03.19 LIFE

昔、合コンでも「S?M?」と聞かれるのが流行りました。そういうときに答えるのが非常に困っていた記憶があります。どちらの素質もある自覚があったからです。ではこのふたつの言葉の意味がどんなものかと調べると

サディズム 【sadism】

〔フランスの作家サドの名にちなむ〕

相手に肉体的・精神的苦痛を与えることで,性的満足を得る異常性欲。サド。

マゾヒズム 【masochism】

〔作家ザッヘル=マゾッホの名にちなむ〕

肉体的・精神的苦痛を受けることにより性的満足を得る異常性欲。マゾ。

(出典・weblio辞書

と、なるわけです。でも私たちが使っている言葉の意味合いとしてはここまでハードではないと思うので

S=きつめの性格で基本的に自分主義。いじめるのが好き。
M=基本的には人に従う性格で、尽くすことに快感を感じる。いじめられるのが好き。

と、一般的には解釈しますよね。うーむ、やはり6対4くらいの割合で私はMかもしれない…。その人間関係において永遠のテーマになりそうなSとMをそのまんま表現したようなドラマ『きみが心に棲みついた」が最終回を迎えます。

『きみが心に棲みついた』公式サイトより

 

改めて申したい、向井理はいい男すぎる

下着メーカーに勤務するOL。ひどく自分に自信がなく、家族にも愛されずに社会人となった小川今日子(吉岡里帆)。勤務先の下着メーカーには、大学生時代に出会い挙動不審な今日子の心を支配している星名漣(向井理)が上司として存在する。星名の呪縛から逃れようと四苦八苦する今日子。そしてついに吉崎幸次郎(桐谷健太)という人生初の恋人ができて幸せに生活ができると思いきや、星名の影が離れない……。

桐谷健太とムロツヨシが出演するラブストーリーと最初に聞いたときは「なんと楽しいドラマが始まった!!」とウキウキしていたのですが、第1話から様子がおかしい……なんだか火サスの香りさえしてくると視聴。その怖さを増長させているのが、向井理の怪演だ。ええ、最近のドラマ界において欠かせないものとなった怪演です。

星名はキョドコ(小川今日子の愛称)を大学生時代から強烈に精神支配している。第8話では星名自身こそが家族愛に恵まれず、幼少期には母親から整形を受けさせられたうえに捨てられてるという過去が放送された。その経験からキョドコもまた自分と同じ穴のムジナであることを察知して、近づいた。

優しい手を差し伸べられ、星名に夢中になるキョドコ。支配されているのは心だけ、あくまでも体には触れてこない星名のやり方がまた怖い。そして優しいふりをしながら学生の前で今日子を裸にさせたり、下着姿でショーに出ろと強要する。そして従う今日子。口癖は

 

「……キョドコのくせに」

 

支配しているのは今日子だけではない。学生時代からの人間関係すべてだ。

 

「仕事も人間関係もヒマつぶし。誰が傷つこうが泣こうが、自分が楽しければどうでもいいんだ」

 

いつもは穏やかそうにしているのに、スイッチが入ると態度は豹変。確実にこいつは人をひとりくらい殺してるんだろうな、と思わせる狂気の表情で相手を追い詰めていく、それが星名だ。この演技の向井さんが最高。今までいろいろと彼の出演作をドラマで見てきたけれど、こういう素養を秘めていたのかと思うとうっかり私もキョドコ並みに反応してしまう。

 

怪演こそハイレベルな容姿が求められる演技だと思うのだけど、彼はそれにハマった。いい男の度合いが増量している。見ていてゾクゾクする。ああ、やっぱり私はMの要素が大きい人間だ。

 

あざと可愛い、これもドラマで定番化するのだろうか

 

今回が初主演の吉岡里帆も改めて可愛いと思った。自虐的な役柄を考慮しているのか、もともと本人の性格なのか番宣のバラエティ番組でも「私なんて」を連発して控えめだった。そんなことを言いながら今作では下着姿ですばらしいボディを披露と、そこにM大好物のギャップを感じてしまうじゃないか。

 

これはあくまでも私の仮説なのですけど、できれば吉岡さんは自分の中で女優としてのブランディングがガッチリとできていてほしい。そして控えめさの演出もその一環、あざとさの利用として着々と大物女優になってほしい。これはけしてディスっているわけではなくて、吉岡さんからはものすごい強さを脈々と感じてしまうので。

 

そのスタートとして、とりあえずは最近のドラマでも定番化の役柄になりつつある”あざと可愛い”メンバーのスタメン入りを希望。里帆ならできる。