「毒饅頭で仇を討つ」息子に父を裁かせた衝撃の結末──治済が辿った“結末”を読み解く【NHK大河『べらぼう』第47回】

2025.12.09 LIFE

定信と蔦重の間にようやく生まれた絆

仇討ちを果たした定信でしたが、家斉に大罪を犯させた深い罪悪感に苛まれ、江戸を去る決意を決めました。

 

定信は幼い頃から本好きで、蔦重の店から出版された本も読んでいましたが、江戸を去る前に耕書堂にようやく足を運べたのです。

蔦重(横浜流星) 定信(井上祐貴) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」47話(12月7日放送)より(C)NHK

「春町は我が神 蔦屋耕書堂は 神々の集う神殿であった」

 

定信のこの言葉には読書家ならではの作家に対する敬意や愛情が詰まっています。高い身分にありながらもこの世界で生きるつらさを知っていた彼にとって、物語の世界は心の拠り所であったと思います。

 

定信は幼い頃から苦水を飲まされ、悔し涙を流してきました。それでも、老中首座時代は田沼意次(渡辺謙)に対する恨みつらみ、民を守るという責任感から行き過ぎた政策を推し進めたものの、自分とは関係のない人までに恨みを振りまくこともなく、公平性を重んじ、真面目に生きていたと思います。

 

定信が耕書堂で浮かべた表情はこれまで背負ってきた重い荷物や負の感情、本屋にすら行けない束縛からようやく解放され、清々しく見えました。

 

47話は“そうきたか!”という想定外の展開でしたが、次回はいよいよ最終回。予告映像だけでも涙腺が決壊…。
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