どう返すかが未来を決める!40代からの住宅ローン返済術 <家を買った後の実践編> 【おこなしさまという生き方 Vol.17 】
年代別・持ち家率のデータによると40代の半数以上は持ち家を所有し、その大半が住宅ローンを返済していることになります。三年前に湘南の地に一軒家を購入した私もその一人。購入前は、頭金はどれくらいにするか、どこの銀行で借りるか、金利の種類はどうするかなど散々悩みました。
住宅ローンは、一度決めれば毎月口座から自動引き落としされるだけ。「余裕があれば繰り上げ返済すればいい」程度のゆるい意識では、返済額は減りません。貯金と同じで目標を決めないと、ずるずると時が過ぎていくだけ。そこで今回は、子どもがいない人生だからこそできる「住宅ローンの返し方」についてです。
あなたの返済、何歳まで続く予定ですか?
人生の三大資金といわれているのが、「教育資金」「住宅資金」「老後資金」。“おこなしさま”は子どもの教育費がかからないため、その分を住宅資金と老後資金に回すことができます。とはいえ、実際は飲食費や旅行代など、なにかと自分のご褒美に使ってしまいがち。20代、30代はそれでよくても40代以降になったら、そろそろ意識改革。子どもがいないという環境を十分に生かして、早めのローン完済を目指しましょう。
「老後が心配」と言いながら、住宅ローンは60歳以降も返済する予定になっていませんか? 30年や35年の長期ローンにすると、毎月の返済額を抑えられ、無理なく返していけます。40歳で35年の住宅ローンを組むと、返済満了時は75歳。現役で働いているときは問題なくても、60歳から75歳の15年間も同じように無理なく返済できるでしょうか。いまは返済がラクでも、老後の負担が大きくなってしまいます。
「最後は退職金で一括返済する予定」と考えているなら、これもお勧めできません。今の時代、予想額面より低かった、あてにしていた退職金が出ないなど、想定外のことが起こると対処できなくなってしまいます。老後に住宅ローンが残っていると生活を圧迫しかねないため、退職金はあてにしないほうが無難。退職金が出ても老後資金としてとっておくと安心です。
老後のこともそうですが、借入期間が長くなればなるほど支払う利息は増えます。トータルでかかる利息を、いかに少なくするか意識することも大切。そのためには、短い期間で返すのが基本。返済期間を少しでも短縮できれば、支払う利息や借入残高を減らすことができます。といっても、家計に無理のない範囲を心がけ、貯蓄をしつつ上手にローンを減らすバランス感覚が最も大事なことです。
「借りっぱなし」はNG。常に借入額を減らす努力を
定期的な「住宅ローンのメンテナンス」を行うことも有効です。返済は長期に渡るため、その間に経済情勢や金利水準が変化していきます。その流れに合わせて見直しを行い、借入額を減らすことを検討していきます。
住宅ローンのメンテナンスは主に「繰り上げ返済」「条件変更」「借り換え」の3つ。低金利で、少ない金額を、短期間で借りることが総返済額を減らすカギ。3つの要素の設定を変えることで、大幅に金額は変わります。目的とライフサイクルに合った返済方法を選びましょう。
【繰り上げ返済】
借入残高の一部を前倒して返済する「繰り上げ返済」。総返済額を減らしたい、完済を早めたいときに効果的な手段。繰り上げ返済には、毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」と、返済期間を短くする「期間短縮型」の2タイプがあります。繰り上げ返済は、早ければ早いほど利息軽減効果があるため、目標に合わせて計画的に行うと効果的です。
たとえば、2000万円を35年ローン・金利2%で借りた場合、総返済額は約2783万円。
同じ条件で期間を20年に短縮すると、総返済額は約2428万円と、355万円もの差が生じます。また、500万円を5年後に一気に繰り上げ返済するより、100万円を毎年5回返した方が利息を減らす効力を望めます。
【条件変更】
返済途中で家計に余裕がでてきたらと思っても、まとまった資金が貯まるまで時間がかかります。そこで毎月の返済額を増額するなどして完済を早めたい。または、毎月の返済が苦しく減額したいときには「条件変更」を活用しましょう。給料が上がったタイミングなどで毎月の返済を増額すれば、返済期間が短くなり利息も減らせます。
同様にボーナスでの増額・減額、金利の固定・変動の切り替えも可能。近年は、ボーナス返済に頼らないことが住宅ローンのセオリーになりつつありますが、ごくわずかな金額をボーナス月に振り分けるなら家計に大きなダメージを与えずにすみます。ある程度貯まってから行う「繰り上げ返済」が不向きなら、毎月少し上乗せして増額返済、もしくはボーナス時に少額返済する方法を利用しましょう。
【借り換え】
新たな金融機関で新しいローンを組む「借り換え」。いまの金利水準はローンの借り換えを行う絶好のチャンス。現在の住宅ローンの金利が高く、ローンの残高と返済期間がまだ長く残っているなら、借り換えのメリットが得られます。
借り換えをするには、ローン審査を得て申請するなど、繰り上げ返済や条件変更よりも手間と諸経費がかかります。借り換え次第で総返済額を減らせるなら、面倒くさがらずに実行すべきです。借り換えをした後、毎月の返済額が下がったとしても、以前と同額の返済額をキープして、その分を期間短縮に振り替えるようにしましょう。
続いて、早く完済するためにいますべきことをアドバイス!
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