【柴咲コウ×鈴木保奈美インタビュー】芸能界の裏側を舞台に確執や闇を描くセンセーショナルな作品に「今の自分だからこそ挑めた」理由

2026.01.15 LIFE

芸能事務所と週刊誌によるスキャンダルを巡る禁断の攻防戦を描く、ABEMAオリジナルドラマ『スキャンダルイブ』。芸能界の裏側を舞台に、芸能事務所の社長・井岡咲(柴咲コウ)の所属俳優のスキャンダルをきっかけに、大手芸能事務所の女性社長・児玉蓉子(鈴木保奈美)との確執、そして表に出ることのなかった業界の“闇”が次々とあぶり出されていく。

 

そんな本作で、信念も正義も異なる二人の女性を演じたのが、5年ぶりの共演となる柴咲コウさん鈴木保奈美さん。物語の中で真正面から対峙する二人の関係性は、そのままこのドラマの緊張感を体現しています。

 

脚本を読んだ瞬間に感じた戸惑いと覚悟。役として向き合ったときに立ち上がる“存在感の圧”。そして、演じることで浮かび上がった、それぞれの現在地——。長くキャリアを重ねてきたおふたりだからこそ語ることのできる、ドラマの現場で交わされた率直な思いとリアルな葛藤を、スペシャル対談で紐解きます。

 

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興味本位や話題先行だけで見られることは避けたかった

――今回ドラマを拝見して、長くこの世界にいらっしゃるお二人だからこそ、ストーリーの刺さり方が特別だったのではと感じました。脚本を読んだとき、どんな思いがありましたか。

 

柴咲:正直に言うと、最初から深く言語化して考えていたわけではなかったんです。ただ、自分自身が長く身を置いてきた世界の物語でもありますし、「こういう世界があるんだよ」と、この世界に縁のない方にも伝えられる機会になるのでは、という感覚はありました。そんな中で、保奈美さんのキャストコメントの記事を読んで、襟を正さなきゃとハッとさせられました。私も言葉には慎重さを伴わせないといけないと思いながら、今回のインタビューに臨んでおります。

 

鈴木:私としてはタイミングもタイミングでしたし、台本をいただいたときは、「この状況下で、こういった作品に挑戦しようとしている人がいるんだ」という驚きがありました。センセーショナルな内容ですが、作品として作ること自体に恐れみたいなものはあまり感じなかったです。

ただ、興味本位だったり、話題先行で見られることだけは避けたいなと感じて、制作意図を改めて伺う時間をいただきました。そこでプロデューサーや監督の熱い思いに触れて、強い信念を持って作ろうとしていること自体に感銘を受けたんです。

 

――そして、この作品の主演を背負うのが柴咲コウさんだということで。

 

鈴木:正直に「こんなに重大なことを担うのか。なんて勇気があるのだろう」と。だからこそ、ぜひご一緒したいなと思いました。

 

5年ぶりの共演、“対峙する”ということ

――お二人は5年ぶりの共演になりますが、今回も仲睦まじい関係性ではない役どころですよね。

 

鈴木:そうですね。柴咲さんとご一緒するときは複雑な関係性が続いていて(笑)。

 

柴咲:せっかく保奈美さんと共演できるのに、今回も難しくて大変な作品で、次はもっとほのぼのとした現場でお会いしたいです。

 

――お言葉通り、お二人とも各々の信念や価値観を貫こうとする役柄でした。役同士で対峙したときの感覚はいかがでしたか。

 

柴咲:蓉子さんとして現れた保奈美さんが怖すぎて仕方なかったです。オーラに圧倒されてしまって。もちろんヘアメイクやスタイリングでも役が作られているんですけど、それ以上に保奈美さんの存在感がそこにあるだけで、身体が萎縮して黙りそうになってしまう、みたいな。

 

――それでも、怯まない役でもありますよね。

柴咲:そうなんです。咲としては、蓉子さんの支配から抜け出した、独立したという思いも抱えているので、「怯まないぞ」という強い気持ちを抱えている。咲のその心を自然に引き出してもらえたのは、相手が保奈美さんだったからというのも大きかったです。

 

鈴木:私も撮影中もそうでしたし、出来上がった作品を観たときも、「この柴咲コウ、いいな」と思いました。柴咲さんはどこかクールなイメージがあるじゃないですか。でもこの作品の柴咲コウは、人のためにドタバタと走り回って、心を砕いて、情けない顔で一生懸命動いている。そのがむしゃらな姿がとても美しかった。

柴咲:ありがとうございます。自分の守りたいものを守るために奔走し戦う姿が自分でも新鮮だったんです。これまでクールな役や、サイコパスな役をやることも多かったので、内に秘めた情熱をさらけ出す感覚が今回はありましたね。

 

重いテーマが、自分自身に問いかけてきたもの

――こういったメッセージ性の強い作品で演じる中で、ご自身に問いかけるような瞬間はありましたか?

 

柴咲:もちろんありました。この業界に限らず、人間関係全体に言えると思うんですけれど、良かれと思った上での所作や発言が相手にとってはすごく負荷になることもあるし、逆に救いになることもある。そのさじ加減を毎回しっかりと選んでいかなきゃいけないんだな、と。

 

私は16歳で、まだ右も左も分からない子供のまま芸能界に入り込んでしまって、業界内では普通とされてしまっているものに対して、「なんで?」と感じることも多々ありました。そう思いながら、飲まれていた部分もきっとあるだろうし、飲み込まなきゃいけなかった部分もあったな、と自分を振り返るきっかけになりました。

 

鈴木:私は、わりとのほほんとやってきたので、この作品のような厳しい状況を目の当たりにすることは少なかったかもしれません。それでも、二十歳過ぎくらいの頃には、「これってどうなんだろう?」と違和感を覚えることはやっぱりありましたね。

――当時は、どう受け止めていましたか?

 

鈴木:「特殊な世界だからね」と言われてしまうと、「そういうものか」とやり過ごしてしまうことが多かったと思います。でも、今振り返ると、「あのとき、抵抗すべきだったのではないか」と思うこともあります。

 

柴咲:難しいですよね、目の当たりにすると。

 

鈴木:そうなんです。私たちの世代は、男女雇用機会均等法の第一世代でもあって、今のように女性が働く時代への過渡期。心に引っかかっても消化しきれないまま、やり過ごしてきたことも多い。だからこそ今、気づいたことを少しでも表に出していくこと、次の世代の助けになることはやっていきたいし、やるべきだと思っています。

 

ドラマが照らした“今の立ち位置”

――ドラマを通して、改めて感じたご自身の変化はありますか。

 

柴咲:役を通して、自分の立ち位置を見つめ直す時間になりました。

鈴木:作品は自分を映す鏡になりますよね。今の自分だからこそ、向き合えたテーマだったと思います。

 

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INFORMATION

ABEMAオリジナルドラマ『スキャンダルイブ』

ABEMAで全話配信中

(C)AbemaTV,Inc.

芸能事務所と週刊誌による、スキャンダルを巡る禁断の攻防戦を描くサスペンスドラマ。芸能事務所社長・井岡咲(柴咲コウ)の元に飛び込んできたのは、所属俳優・藤原玖生(浅香航大)のスキャンダルが掲載されるという週刊誌からの告知であった。記事が出るまでの72時間で巻き起こる、事務所と週刊誌の熾烈な争いが火蓋を切る――。

 

柴咲コウ

東京都出身。俳優・歌手・レトロワグラース代表。1998年、俳優デビュー。近年の出演作に、映画『蛇の道』『兄を持ち運べるサイズに』、ドラマ『インビジブル』など。俳優活動のほか、2016年には持続可能な調和社会の実現に向け「レトロワグラース」を設立し、2018年には環境省「環境特別広報大使」に就任するなど、幅広く活躍。

 

鈴木保奈美

東京都出身。俳優。1986年、俳優デビュー。91年の大ヒットドラマ『東京ラブストーリー』をはじめ、数多くの名作ドラマや映画、舞台で活躍。近年の出演作に、映画『ミステリと言う勿れ』、ドラマ『プライベートバンカー』『人事の人見』、舞台『逃奔政走-嘘つきは政治家のはじまり?-』など。今後、ドラマ『対決』(NHK BS)の放送を控える。

 

撮影/杉江拓哉(TRON)

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