【柴咲コウ✕鈴木保奈美】「ゆらぎは生きている証拠」「整わなくてもいい」人生を更新し続けるためのヒントとは?

2026.01.15 LIFE

ドラマ『スキャンダルイブ』で描かれるのは、正しさがひとつではなく、真実は当事者によって二転三転する世界。善意は時に人を追い込み、守ろうとした行為が誰かを傷つけることもある。その構図は、働きながら生きてきた私たち自身の現実にも、どこか似ている。役を演じ終えた柴咲コウさんと鈴木保奈美さんが次に語り始めたのは、ゆらぎを抱えながら進んできた、それぞれの人生について。

 

【関連記事】こちらも読まれています

◀◀【柴咲コウ×鈴木保奈美インタビュー】芸能界の裏側を舞台に確執や闇を描くセンセーショナルな作品に「今の自分だからこそ挑めた」理由

 

キャリアを重ねた先で、自分はどこに立っているのか

――お二人のお話を伺っていると、年月を重ねるほど「自分のため」だけではなく、次の世代や周囲のことを考える視点に移っている印象があります。ご自身では、その変化をどう感じていますか。

 

柴咲:その点で言うと、私はそもそも自分のために生きてきてなくて、自分のために頑張ることにあまり興味がなかったかもしれません。子どもの頃から頑張る理由は、誰かのためだったので大きな変化はなくて。ただ、その誰かの“規模”はどんどん大きくなっています。

 

――キャリアも年齢も若い人と同じ現場で、同じ土俵に立つことも多いと思います。その中での“身の置き方”については、どう考えていますか?

 

柴咲:私は、頼りがいがありそうで実は頼れない先輩になりつつあります。一人っ子ですし、自分のことは自分でなんとかするのが基本。マイペースに生きてきてしまったので、あんまり人に干渉しないというか、干渉できないというか……。脱力系なんです、わりと。

鈴木:たしかに“ほにゃ”っとしてる(笑)。

 

柴咲:保奈美さんもすごく強そうに見えて、実はほにゃっとしていて、大先輩ですけれど可愛いんです。

 

――柴咲さんがフラットでいてくださるからこそ、若い世代も肩に力を入れずに現場に立てるのでは、と思いました。現場に立つ姿勢として、鈴木さんは今ご自身の立ち位置をどう感じていらっしゃいますか。

鈴木:でも、そろそろちゃんとしなきゃって思ってます。私は今まで先輩方に教えてもらって、助けてもらって、優しくしてもらってきたなという実感がすごくあって。私もいただいた恩を返すときが来たなと感じています。上の世代からいただいたものを、今度は下の世代に返していく歳なんだなって。ただ、現場に行くと、若い方がとってもしっかりしていて、結局いろんなことを教えてもらっているんですけれどね(笑)。

 

柴咲:そうなんですよね。私は自分がしっかりしているなんて自覚もないですし、年齢やキャリアに縛られず、柔軟でありたいと思っています。

 

ゆらぎは、弱さではなく「更新」なのかもしれない

――おふたりともイメージとしては「ゆらがなそう」「ブレなさそう」に見られることが多いと思います。実際にはいかがですか?

 

柴咲:いえ、ぐらんぐらんです。良くいえば竹のようにしなやかだと思います。ただ、土台や軸となるものは培ってきたので、ぐらぐらしても元の位置に戻れるという感覚です。

 

鈴木:私が20代の頃は、本当のところでギャップに苦しんでいたわけではなく、“ギャップに苦しむトレンド”みたいなものがあった気がします。自分自身を役柄で見られる、イメージで見られるけれど、本当の私はそうじゃないと言いたいお年頃はありました。今思えば。今思えば、そのギャップこそ役者の醍醐味ですし、本当の自分と違う人物を演じるのが面白いからこの仕事をしているわけですから。

 

柴咲:生きている以上、人は常に学んでいるので、ゆらぎに見えるものは更新なんだと思います。今まで「これがいい」と思っていたものが、「あ、そっちの方がいいな」と変わることはゆらぐこととは違いますから。新陳代謝のようなもので、徐々に細胞が生まれ変わっていくことを私たちは繰り返している。「動的平衡」という言葉があるように、変化はしているけれど、ずっと変わらないように見えているだけで中身はどんどん入れ替わっているんですよね。

 

整わなくてもいい。体と心のゆらぎとの付き合い方

――40代・50代の女性読者から特に反響が大きいのが、体調やホルモンバランスの“ゆらぎ”についてです。お二人は、変化を感じることはありますか?

 

鈴木:私は通り過ぎたと思うんです。通り過ぎてしまったので、もう忘れました(笑)。

 

柴咲:清々しいですね(笑)。私は冷え性がちょっと気になっているくらい。

 

――自分を整えるとか落ち着けるための習慣はありますか?

 

柴咲:お風呂に一日二回入ること。もともと入浴が好きなんですけど、肩までつかって水圧をかけつつ、温まるようにしています。すごく身体の調子がいいですね。

鈴木:私は、あんまり決め事を作らないようにしています。「必ずこれをする」「必ずこれを食べる」と決めるのが苦手で。できなかったときに自分が崩れてしまう方が恐怖なので。やらなければと追い立てられるのもストレスになってしまいますから。

 

柴咲:勝手ながら、色んなことをきちんとやってらっしゃるイメージがありました。

 

鈴木:59年も生きていると、「あ、私はこういうふうにしか生きられないんだな」と悟るんです。どうしても人と合わないこともあるし、きっと変だと思われることもあるけど、そんな自分も尊重しつつ、面白がれるようになってきました。

――“前向きな諦め”という言葉が浮かびます

 

鈴木:まさに、そうですね。もう、へんてこな自分のままでいいんだなと。

 

柴咲:ゆれながら更新される自分を面白がれたら最強ですよね。ゆれていいと思います。ゆれるって、生きている証拠なので。

 

鈴木:整っていなくてもいいし、決まっていなくてもいい。「こうでしか生きられない自分」を、ちょっと面白がれたら、それで十分だと思います。

 

【関連記事】こちらも読まれています

◀◀【柴咲コウ×鈴木保奈美インタビュー】芸能界の裏側を舞台に確執や闇を描くセンセーショナルな作品に「今の自分だからこそ挑めた」理由

 

INFORMATION

ABEMAオリジナルドラマ『スキャンダルイブ』

ABEMAで全話配信中

(C)AbemaTV,Inc.

芸能事務所と週刊誌による、スキャンダルを巡る禁断の攻防戦を描くサスペンスドラマ。芸能事務所社長・井岡咲(柴咲コウ)の元に飛び込んできたのは、所属俳優・藤原玖生(浅香航大)のスキャンダルが掲載されるという週刊誌からの告知であった。記事が出るまでの72時間で巻き起こる、事務所と週刊誌の熾烈な争いが火蓋を切る――。

 

柴咲コウ

東京都出身。俳優・歌手・レトロワグラース代表。1998年、俳優デビュー。近年の出演作に、映画『蛇の道』『兄を持ち運べるサイズに』、ドラマ『インビジブル』など。俳優活動のほか、2016年には持続可能な調和社会の実現に向け「レトロワグラース」を設立し、2018年には環境省「環境特別広報大使」に就任するなど、幅広く活躍。

 

鈴木保奈美

東京都出身。俳優。1986年、俳優デビュー。91年の大ヒットドラマ『東京ラブストーリー』をはじめ、数多くの名作ドラマや映画、舞台で活躍。近年の出演作に、映画『ミステリと言う勿れ』、ドラマ『プライベートバンカー』『人事の人見』、舞台『逃奔政走-嘘つきは政治家のはじまり?-』など。今後、ドラマ『対決』(NHK BS)の放送を控える。

 

STAFF

撮影/杉江拓哉(TRON)

スポンサーリンク

この記事は

スポンサーリンク

スポンサーリンク