これがこの世じゃ! 『豊臣兄弟!』第2話が突きつけた戦国の理不尽。小一郎と直の未来に光はあるのか……【NHK大河『豊臣兄弟!』2話】

2026.01.13 LIFE

家族愛に涙 母だからこそ分かる息子の胸の内

小一郎は藤吉郎と一緒に清須に赴くことも、侍となることも拒み続けていましたが、襲撃事件をきっかけに、彼の心の迷いは一層大きく膨らんでいきました。

 

朝方、家の外で、一人考え事をする小一郎に気付き、彼の背中を押したのは、母・なか(坂井真紀)でした。

 

「藤吉郎には藤吉郎にしか あんたにはあんたにしか できんことがある。 それをおやり」

 

さらに、なかは藤吉郎が坂井の家から仏画を盗んだのは、小一郎の薬を買うためだったと説得し、「だから 今度は あんたが藤吉郎を守っておやり」と諭しました。

 

藤吉郎が天下人となることができたのも、弟の存在あってのことでした。なかはこう言えるほど我が子のことを理解し、よく分かっていたのです――「あの子には あんたがいてやんないといけないんだよ」

 

きょうだいは一緒に育ち、他人が知らない嫌な部分も知っているからこそ、うとましく感じることがあります。けれども、藤吉郎が絶望の真っただ中にいる小一郎に呼ばれていると感じ取ったように、市(宮崎あおい)が「私が今苦しいのは 多分 兄上(信長)が苦しいからじゃ」と、藤吉郎に静かに語ったように、きょうだいには不思議な結びつきがあるように思います。

 

なかだけでなく、姉・とも(宮澤エマ)にも背中を押され、小一郎は清須に行くと一大決心をしました。

 

朝日が昇るとともに、藤吉郎とあさひ(倉沢杏菜)も起きてきました。藤吉郎の出世について侍大将、将軍……と家族で期待に胸をふくらませ、未来を語り合っていると、なかは朝日を指さし、「もっと上じゃ」「あれみたいに おなりよ」と、真っすぐに遠くを見据えて言います。そして、「あんたらは あのお天道様みたいに おなり」と続けました。

 

なかは我が子を信じ、全肯定する愛情深さと、穏やかな優しさを湛えながらも、子どもたちの心の奥底まで見抜く鋭さ、ここぞというときに覚悟を決める揺るぎない強さが宿っています。本放送回でのなかを見ていると、その偉大さを感じ、豊臣兄弟を生み育て、支え抜いた人物なのだと納得できました。

 

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