下剋上に魅せられた瞬間! 第3話で芽生えた小一郎の覚悟【NHK大河『豊臣兄弟!』3話】
豊臣秀吉の草鞋(わらじ)のエピソードを彷彿とするシーンも

わらじ 大河ドラマ『豊臣兄弟!』3話(1月18日放送)より(C)NHK
小一郎と藤吉郎は小左衛門を討つ好機を実現すべく、信長に出陣を進言しに行くものの、信長の家臣に当然のことながら追い返されます。
その帰り道、小左衛門のものと思われる草鞋を屋敷の前で目にした藤吉郎は、それを盗み、売ってお金にしようと考えます。一方、小一郎はいくら敵のものとはいえ、盗みはよくないと引き止めます。
二人が言い争っていると、信長が姿を現しました。そして、「ここにあった わしの草履を知らんか?」と一言。この草履は小左衛門のものではなく、信長のものだったのです。
藤吉郎は懐から草履を出しながら、「こ…こちらに」「温めておきました」と伝えます。信長は「そうであったか。なかなか特殊な心掛けじゃ…と言いたいが この陽気に温めてなんとする」「盗もうとしたか」と鋭く指摘。
そこで、助け船を出したのが、小一郎でした。「間もなく雨が降りまする 濡れてはいけないと思って」「手前どもは 長いこと百姓をしていたゆえ分かるのです」と述べ、信長の感情を見事に鎮めました。
藤吉郎のモデルは豊臣秀吉ですが、秀吉といえば信長の草履を懐であたためた気遣いが、出世のきっかけとなった有名な逸話があります。しかし、本作では、“草履を懐であたためていた”という藤吉郎の言い分は信長の疑惑を深めたにすぎず、この逸話が巧みにアレンジされて挿入されていました。小一郎の機転あるフォローと信長の鋭い洞察に脱帽する一方、藤吉郎の詰めの甘さが際立っています。
藤吉郎も機転が利き、賢いけれど、理想主義であり、詰めの甘さが目立ちます。そんな藤吉郎を現実主義で、聡明な小一郎が冷静にフォローしています。
慎重で現実主義の小一郎一人では世を変えるような大それたことは起こせないでしょう。一方、猪突猛進の藤吉郎一人では天下を掴むなど夢物語に終わりそうです。互いの弱点を補い、力を合わせることで、天下人への道が開けたのです。
小一郎は自分の思いに直の言葉で気づく

直(白石聖) 小一郎(仲野太賀) 大河ドラマ『豊臣兄弟!』3話(1月18日放送)より(C)NHK
生きていくために戦わなければならないことはあるけれど、命も金もかかる戦いはできれば避けたい――和睦を望むのが多くの人の本音だと思います。
しかし、信長が「和睦など持ちかければ 敵はこちらが到底受け入れられぬことを求めてくるであろう」と述べていたように、戦わざるを得ない状況というものもあるのです。
小一郎は戦わなければ守れない現実、小左衛門による父への侮辱、故郷・中村が野盗に壊滅させられた過去を胸に、侍になることを決めました。
小一郎に本心を気づかせたのは直でした。
「負けたくないって言いながら負けるよりも そっちの方が傷つかないからね。そうやって かっこつけてるだけ。本当は でぇら悔しいくせして だから 身分が低くても そこから はい上がれるお侍になって 見返したかったんでしょ?あんたは 下剋上に魅せられたんじゃ」
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