院卒なのに?初任給手取りはたった1万円…。バイトかけもちでスキルアップしても、見えない壁が立ちはだかる
50歳を迎えるころ、これまでの働き方や暮らし方を見つめ直し、「この先の人生をどう生きるか」を考えるようになる人も多いのではないでしょうか。
シリーズ「50歳から考えるこれからの仕事と暮らし」では、人生の折り返し地点から新たな一歩を踏み出した人たちの選択と、その先に広がる暮らしを取材します。
本編では、公認心理師・臨床心理士の資格をもち、心理カウンセラーとして仕事をしてきたマイさん(50歳)が、子どもの問題や自身の更年期、親の介護などを経て至った思いについてお届けします。
◾️マイさん
静岡県在住の50歳。48歳の夫、中3の長女、小6の次女、義父、義母の6人家族
【50歳から考える これからの仕事と暮らし #5 前編】
25歳で初任給は手取り1万円。「心理学」を生かせる仕事は狭き門だった
大学院で心理学を専攻していたマイさん。25年前から、「将来は発達障害の子どもの支援をしたい」とずっと考えていました。当時はまだ、発達障害はあまり知られておらず、そもそも心理学を生かせる職種自体が多くありませんでした。「今は小・中学校にもスクールカウンセラーが配置されていますが、私が2001年に学校を出た当初は、住んでいる市で心理学を生かせる仕事の求人はたったの2件だけでした」と振り返ります。
週4日の非常勤だけどやりがいがある職場へ
やっとの思いで就職したマイさん。しかし、勤務先は家から1時間30分もかかる遠い場所。夕方17時30分の最終バスに乗り遅れると帰れなくなってしまう、田舎町でした。また、正社員ではなく週4日の非常勤で、立場も収入も不安定でした。とはいえ、専門性を大事にしてくれる職場で、マイさんがやりたかった、発達障害の子どもに関する相談業務はやりがいを感じました。
「正社員ではなかったので給与は額面16万円程度。交通費は自分持ちだったので、定期代などを引くと、初任給は1万円になってしまいました」
心理学と関係のないパソコン講師などいくつかのアルバイトをかけ持ちし、なんとか食いつなぎました。「パソコン講師は当時、時給3000円くらいでお給料がよかったんです」とマイさん。
子育て相談やスクールカウンセラーとして経験を積む
2年間の実務経験を経て、無事に臨床心理士となり、その後は国家資格である公認心理師の資格を取得。行政の保健センターで子育て相談、小学校でのスクールカウンセラーなど、さまざまな仕事を経験していきます。
当時は「不登校=さぼり」だと考える人が多く、どうにか学校に行かせようという時代だったといいます。「カウンセラーの仕事は、子どもを学校に戻すことだ」という考えの校長先生に詰め寄られ、学校と保護者の間で板挟みになることもしばしば。「不良っぽい女の子に『ヘッポコ』となじられたことも……。いろいろな経験を積んで、強くなりましたね」とマイさんは笑います。
後編▶▶関連記事「まさか、自分の子どもが不登校に…「心理カウンセラーの私が“相談する側”になるなんて」親の死、介護、更年期の追い打ちも!40代後半の人生の乗り越え方とは」では、出産後に仕事復帰を果たし、順調にキャリアを積み上げてきたマイさんが、50歳近くでぶつかった壁について、お届けします。
■編集部より■
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