直ロス続出…小一郎の初恋を演じ切った白石聖、その静かな強さとは【NHK大河『豊臣兄弟!』8話】

2026.03.03 LIFE

直と小一郎は土豪の娘と足軽の息子という身分の差がありながら、農村地帯の中村で仲睦まじく生まれ育ちました。二人は小一郎と藤吉郎(池松壮亮)きょうだいのように遠慮のない関係ゆえに、口喧嘩をしたり、怒りをあらわにし合ったりすることもあります。

 

直は小一郎以上に彼の心を理解しています。戦場での父の死や家族の暮らしを言い訳にし、侍になることをためらう小一郎に、直は本当の思いを気づかせました。

 

「本当は、でぇら悔しいくせして。だから、身分が低くても、そこからはい上がれるお侍になって見返したかったんでしょ?あんたは下剋上に魅せられたんじゃ」

 

第3話における直のこの台詞は小一郎が気づかないふりをしていた本心を鋭く突いたものでした。

 

直は侍が危険な職であることを理解していただけでなく、小一郎が藤吉郎と中村を出ていくのは寂しかったはずです。それでも大切な人の思いを優先し、その人が最善の選択をできるように背中を押しました。

 

小一郎が下剋上に魅せられ、出世に興味を持った背景には、野盗に村を壊滅されたことなどいくつかあるものの、直の存在が大きいのは確かでしょう。直の父・坂井喜左衛門(大倉孝二)は、娘の婚約者に身分の高い家の息子を望み、小一郎を相手にしませんでした。直と駆け落ち同然になるものの、経済的な理由で一緒に住むことは長らく叶わず……。小一郎は浅野家に仮住まいする直を迎えるためにも、織田信長(小栗旬)の下で懸命に働き、立派な住まいを構えるまでに成長したのです。守りたい女性がいる男性は強く、力を最大限に発揮できます。

 

直を演じた白石は「直にとって小一郎は“ヒーロー”ですかね。第1話から何回も助けられてきているので」とNHKのインタビューで答えていました。

 

小一郎にとっても直は人生に大きな影響を与えてくれた存在です。直は小一郎の侍人生の基盤を築いた存在であり、直がいなければ豊臣兄弟の物語はなかったともいえるのではないでしょうか。

 

放送前からオフィシャルサイトなどで「乱世に翻弄される悲劇のヒロイン」と紹介されていた直。身一つで小一郎と清須まで来たものの、離れ離れの時間ばかりで、ようやく寄り添える日が訪れたと思った矢先、女の子を護ったために殺されるという結末は切ない限りです。

 

小一郎の心には直の存在がずっと残り続け、たとえ彼が別の女性と結ばれたとしても、その存在は生涯にわたって彼の内側で静かに息づき続けるはずです。

 

直のあまりにも早い退場を残念に思う視聴者は多く、“直ロス”を嘆く声や直の回想シーンを望む声がネット上をにぎわせています。昨年放送の『べらぼう』(NHK総合)では、主役の蔦重(横浜流星)をも凌ぐ人気を博していた瀬川(小芝風花)の再登場を、多くの視聴者が待ち望んでいました。その声が反映されたのか、最終回では瀬川と思しき女性の後ろ姿がさりげなく登場しました。本作でも直の面影がふと垣間見えるような場面が、今後挿入されることを心から期待しています。

 

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