戦場で亡くなった人の遺体はどうなった? 畑を壊された農民がその「代償」としたものとは…。戦国時代の現実【NHK大河『豊臣兄弟!』11話】
戦場で命を落とした名もなき人たちの死体
『豊臣兄弟!』の11話は本圀寺の変のシーンが見せ場の1つだったと思います。大勢の兵が戦う姿は圧巻でしたが、敵の攻撃によって地面に倒れる兵の姿もまた画面に映し出され、戦国時代の残酷さを視聴者に強く印象づけました。地面に横たわる死体を見ていると、“この人たちはどうなるのだろうか?”と、ふと気になることもあると思います。
戦場における死体の扱い方法はいくつかありましたが、いずれも非情なものであり、本人や遺族にとってかなしいものでした。死体を放置すると腐敗臭が発生したり、疫病の原因になる恐れがあったため、鳥などの野生動物の餌にすることもありましたが、川に流したり土に埋めたりする対応が取られました。
また、『豊臣兄弟!』でも、戦や争いで荒らされた田畑のシーンが描かれていますが、その様子は見るも無残な荒廃ぶりです。畑全体が荒れ果てており、すぐに農作業を再開できるような状態ではありません。農民はその代償という意味も込めて、死体から衣服や武具を奪い取っていったのです。つまり、農作物で生計を立てられなくなった農民は、死体から衣服や武具を持ち去り、売ることで、食いつないでいました。
多くの人たちが生き抜くのに必死であった時代、“血だらけの死体から衣服を盗るなんて恐ろしい” “戦で亡くなられたのに、衣服を奪って、裸にするのはかわいそう”などと思う余裕はなかったと思われます。身ぐるみを剥がされた死体は、川に流されたり、土に埋められたりするのが一般的で、死者に対する丁重な配慮はほとんどなされませんでした。
▶▶本編解説はこちら:潔く死ぬのは侍だけ! 「百姓にとって将軍は誰でも同じ」小一郎の言葉が突きつけた現実【NHK大河『豊臣兄弟!』11話】
<参考資料>
池上良太『図解 戦国武将』新紀元社、2010年
小和田哲男『戦国 忠義と裏切りの作法』ジー・ビー、2019年
小和田哲男、 山田雄司『超リアル 戦国 武士と忍者の戦い図鑑』ジー・ビー、2020年
関根達人『墓石が語る江戸時代 -大名・庶民の墓事情-』吉川弘文館、2018年
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