「お前はもう俺のものだから」そう言われた瞬間、限界が訪れた。元トップライバーが5年後を見定めた「卒婚計画」とは
夫は「病気」だと気づいた日
「そのとき、気づいたんです。夫は“病気”なんだと。これは一生治らない。夫に『愛』を求めていた私が間違っていたんだと、そう思った瞬間、吹っ切れました」
Sさんは、夫への感情を完全にシャットアウトすることにしました。これは、極度のストレスから自分の心が壊れるのを防ぐための、防衛本能でもありました。そして、ある決意を固めます。それは「子どもの大学の学費を払い終えたとき、つまり5年後に自分から別れを切り出す」というもの。その決意を心の奥深くに隠し、夫の前では一切感情を見せず、彼が望む「綺麗で完璧な自慢の妻」という役割を演じ切ることにしたのです。
「生活費は文句を言われながら現金で渡され、美容代も出し続けてくれる。何より子どもの学費をすべて出してくれる。これは、私が受けてきたモラハラに対する“前払いの慰謝料”なんだと、自分に言い聞かせることにしたんです」
多くのモラハラ被害者が、「すぐに離婚すべき」という周囲の正論と、現実的な経済問題との間で板挟みになります。しかし、経済的な基盤が整っていない状態での感情的な離婚は、自分と子どもの将来を大きく揺るがすリスクも伴います。だからこそSさんは、相手の異常性を「治らないもの」と割り切り、相手を「夫」ではなく「自分と子どものための資源」として捉えるという選択をしました。それは、心を壊さずに生き延びるための、極めて現実的な戦略だったのです。
「大切な自分の人生を、お金のために5年間も費やすなんてもったいない。すぐに別れたほうがいい」そう感じる方も多いかもしれません。それでもSさんは、シングルマザーとして経済的に苦しい状況を経験してきたからこそ、「今は耐える」という選択のほうが、結果的に自分と子どもを守る道だと判断したのです。
何も知らない夫は、今日も投げ銭にいそしむ
夫は今日も、新しい「推し」に投げ銭をしています。自分が「完全に支配した」と信じている妻が、実は心の中で終わりの日を決めていることなど、夢にも思っていません。夫は相変わらず、Sさんに暴言を浴びせ続けています。一緒に買い物に行っても、夫は一人で車で帰ってしまう。外食の約束をしても、店に現れないこともありました。
以前のSさんであれば、泣きながら夫にすがっていたでしょう。しかし今は、何も言わなくなりました。その変化に、夫はかすかな不安を覚え始めたようです。自分から「どうしても外せない用事があった」と言い訳をするようになりました。
5年の間に夫に変化があれば、離婚しない可能性もあります。それでも、Sさんはすでに夫への期待を手放しています。離婚の日を自分で決めたことで、心が壊れることはなくなったのです。
モラハラは、「いつか分かってくれるはず」と期待している間が、最も苦しいものです。「この人は変わらない」と割り切ることは、諦めでも敗北でもありません。それは、自分の人生の主導権を取り戻すための選択です。もし今、Sさんと同じようにモラハラで苦しんでいる方がいるなら……。地獄の中で耐え続けるのではなく、「自分を守るための期限」を決めてみるという選択もあるのではないでしょうか。
<<本編の前編:「何百万も貢いでくれる太客」と結婚したら、モラハラ夫に豹変。いじめ抜かれる毎日に、心が折れそうで
※本記事は、相談者様への敬意と守秘義務に十分配慮したうえで、モデルケースとして編集・再構成しお届けしています。特定の人物や事例を示すものではありません。
※写真はイメージです
1 2
スポンサーリンク
スポンサーリンク















