「もう一度、夫婦としてやり直したい」“触らない夫”になって気づいたこととは【GWベストセレクション】
謝罪の手紙、そして…夫が重ねた苦い試行錯誤
なんとかこの状況を打開しようと、タカシさんはさまざまなアプローチを試みました。どれも一発逆転にはならず、むしろ空回りやすれ違いの連続。それでも、一歩でも前に進もうと必死だったといいます。
最初に試したのは、「本当にごめん」と書いた手紙を奥さまの枕元にそっと置くこと。口ではうまく言えない気持ちを、文章に込めようとしたのです。
「『君の気持ちを知らずにごめんね』『愛情表現って、押しつけじゃなくて相手が受け入れて初めて成立するんだね』って書きました。何度も推敲して、便箋に丁寧に手書きで……。読んでくれたかはわからないけど、僕の中では少し気持ちが整理されました」
次に考えたのは、“触れる時間帯”の見直しです。夜や食事中、テレビを観ている時間は避け、あえて昼間。たとえば娘を送り出したあとの静かな時間帯なら、受け入れてもらえるのではないかと考えました。
「実際、昼間に『ごめんね』と声をかけて肩にそっと手を置いたら、妻が笑顔を見せてくれたんです。そのときは本当にホッとしました。でも、そこで気が緩んだんでしょうね。数日後、また同じように何度も触れていたら、『なんで同じこと繰り返すの?』って怒られてしまって……」
このとき、ようやく気づいたといいます。“タイミングや頻度を変える”だけでは、根本的な問題は何も解決していない、と。
次に選んだのは、“一切触らない”という極端な方法。スキンシップもゼロ、会話も必要最低限に抑え、とにかく奥さまのストレスを減らすことを最優先にしました。
「最初の数日は、本当にきつかったです。触れないだけじゃなくて、夫婦としての実感すら失われるような感覚でした。でも、少しだけ距離が縮まったように感じました。妻の表情も、以前より和らいだ気がして……」
けれどそれもまた、決定打にはならなかったといいます。
「これで“落ち着いた”としても、きっと妻は『またいつか同じことをされるかも』って、不安に感じていると思います。完全に信頼を取り戻せたわけじゃない」
“タイミング”と“頻度”。
それだけで人の気持ちを取り戻せるほど、夫婦関係は単純ではない。
その難しさを痛感したと、タカシさんは少し苦笑しながら語ってくれました。
すれ違いの根っこにある問題は 次ページ
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