「もう無理かもしれない」髪が抜け始めた私…モラハラ夫から逃げる決意をした日
両親もおらず、逃げ場がない。耐えるしかないのだろうか……
Nさんには、逃げ場所がありませんでした。ご両親は、すでに5年前に他界していたのです。
耐えるしかない、そう思い込みながら、毎日を過ごしていました。こうしたやり取りが続くうちに、Nさんは次第に言い返さなくなっていきました。「言っても変わらない。言えば、もっとひどくなる」そう感じるようになったからです。そして、いつの間にか、こんなふうに思うようになっていました。「私が悪いのかもしれない」
本来なら「おかしい」と感じるはずの言葉も、毎日のように繰り返し浴びせられると、感覚が少しずつ鈍っていきます。怒られないように先回りし、顔色を見ながら行動する。それが当たり前になっていくのです。これは、ガスライティングによって「自分がおかしい」と思い込まされた結果、行動まで縛られていく状態です。
心理学では、これを「学習性無力感」と呼びます。何をしても結果が変わらない。あるいは、さらに悪化する……そんな経験が積み重なると、人は次第に、「どうせ何をしても無駄だ」という感覚を身につけていきます。それは「弱さ」ではありません。脳が、自分を守るために選んだ「適応」なのです。
ですので、モラハラ被害者に対する「なぜもっと早く逃げなかったの?」という問いは、本質からズレています。限界まで適応し続けた結果、動けなくなっていくのです。
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この記事は
モラハラカウンセラー
麻野祐香
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