河野景子、”卒婚”で名門・花田家は終わりを迎えた
雑談レベルで離婚について人と話すことがありますが、私は暴力を振るわれていたり、おカネをむしりとられているという以外では、離婚を勧めるということはしません。離婚が悪という意味ではなく、やはり人生の大きな決断ですから、他人がそう簡単に口を出せることではないと思うのです。
貴ノ花・河野景子の離婚原因は、あの騒動?
そういう考えの私でも、「この人たちは離婚したほうが、いいのでは?」と前から思っていたのが、貴乃花親方と元フジテレビアナウンサー・河野景子(以下、ケイコ)夫妻。なんと、11月26日に離婚が正式に発表されました。「スポニチアネックス」の取材に対し、貴乃花は「夫婦を卒業する“卒婚”です」と詳しい事情は語りませんでしたが、多くの人の頭に浮かぶのは、貴乃花の親方廃業問題ではないでしょうか。
廃業問題の発端は、2017年の10月に日馬富士暴行事件でしょう。横綱(当時)・日馬富士が貴ノ岩に暴行を働き、ケガをさせました。通常であれば相撲協会に報告して判断を仰ぐところでしょう。しかし、相撲協会といえば、暴力事件や八百長を隠蔽してきた集団です。
事件をにぎりつぶされては困ると思った貴乃花は、相撲協会を通さず警察に被害届を提出します。相撲協会も黙っているはずもなく、「報告義務を怠った」として貴乃花を理事から解任します。貴乃花は協会を批判、内閣府への告発状を提出する意志を明らかにします。しかし、自分の部屋でも暴行事件が起きてしまい、告発状の提出を断念。平年寄りへ降格します。貴乃花の弱みにつけこむ形で、相撲協会は「内閣府に提出するはずだった告訴状が事実無根と認めなければ、親方を廃業させる」と圧をかけてきたそうです。その結果、貴乃花は引退し、弟子は部屋から放り出されたことになります。
相撲の世界の内情はともかくとして、私が気になったのは、貴乃花はケイコと会話しているのかということ。貴乃花は平成の大横綱ですから、相撲の技術的なことでは、ケイコは役に立たないでしょう。しかし、組織改革の場合、正義だけでは人は動きません。そのあたりは貴乃花よりも、ケイコのほうがよっぽどいい知恵を持っているはず。弟子のためにと言いながら、結局弟子に負担をかけるような言動をケイコが承知していたのかどうか。もしケイコの意見を無視して突き進んでこの結果なら、そりゃケイコもやってられないと思うのです。
婚約から今日まで、河野景子が叩かれてきたのはなぜか?
思えば、気の毒なことにケイコは結婚からずーっと叩かれてきました。
30歳のケイコと8歳年下の貴乃花の結婚披露宴で、ケイコのお腹は少し目立っていました。妊娠が先の結婚なんて珍しくないのですが、当時のマスコミは「三十路のがけっぷちオンナが、若い貴乃花をワナにはめた」的な勢いで、ケイコを悪者にしていました。それはケイコに問題がある云々よりも、花田家が絶頂を迎えていたからだと思うのです。
貴乃花の家族は、親方(元大関・貴ノ花)とおかみさん(タレント・藤田憲子)、兄の花田虎上の4人家族です。力士はオンナ好きが多いそうですが、周囲の大反対を押し切って結婚した親方はおかみさん一筋。元女優のおかみさんは華があってきれい。兄弟仲は良く、二人で横綱になるというとんでもない偉業を達成します。「週刊文春」(文藝春秋)の阿川佐和子センセイとの対談によると、息子は海外巡業の際、おかみさんにシャネルスーツを買ってきてくれるなど、花田王朝というべき完璧さでした。
完璧な花田家には、完璧な女性がふさわしい。周囲が勝手に期待値をあげていたところ、貴乃花は女優・宮沢りえとの婚約を発表しますが、まもなく破断となります。次に若乃花も元キャビンアテンダントの美恵子さん(現タレント・花田美恵子)と結婚しますが、ちょっと不思議ちゃんじみた言動がバッシングの対象となります。ケイコ・バッシングも同じ類のものでしょう。おそらく、誰であっても、叩かれたはずです。
その後の花田家は凋落の一途をたどります。長男夫婦は離婚(美恵子さんの浮気相手が、週刊誌に詳細を暴露するオマケつき)、おかみさんは若い医師に入れあげて離婚(「週刊文春」(文藝春秋)によると、医師は開業資金目当てだったそうですが、おかみさんがどハマりしてしまったそうです)、兄弟不仲、貴乃花の洗脳騒動など、王朝はガラガラ音を立てて崩れ落ちたのでした。
女性が完璧であるための条件の1つに「完璧な家族」は、本当に必要なのか
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