新春に「去年は大変お世話になり」は失礼?意外にNGな日本語とは
新年明けましておめでとうございます。
この言葉に対し「新年は明けないでしょう」だとか「そもそも『新年』と『明ける』はダブっているでしょう」だとか、そういうツッコミに対し、細かすぎる解説を付けるのが普段の私の仕事ですが(笑) 今日は元日、野暮なことは言わずにすぐに役立つ、新年の挨拶を紹介することにします。
「去年は大変お世話になり……」はNG
おめでたい日に使わない方が良い言葉があります。忌み言葉といいます。結婚式などでも使わない方が良いとされている言葉です。厳密には使うシーンで違いますが、忌み言葉には次のようなものがあります。
去る、切る、別れる、死ぬ、病む、疲れる等
単語だと「新年早々、そんな言葉使わないでしょう?」と思うかもしれませんが、流れでうっかり使ってしまうことがあるので要注意なのです。
新年の挨拶でうっかり使ってしまいがちな例
- 去年は大変お世話になりました。
- 良いスタートを切りましょう!
- 部署は別れても心は一つです。
- 先輩には、死ぬほどお世話になって……
また、大勢に一度に出す年賀状では、そのご家庭に受験生がいる可能性もあるので、
滑る、落ちる、転ぶ、つまづく
などの言葉も避けた方が良いでしょう。
- これは幸先良い滑り出しですね!
- 昨年は気持ちが落ち込んだ時に助けてくださり……
- 今年の私は、転んでもただでは起きません!
- どんなにつまづいても、前に進みます。
このような新年に使われそうな忌み言葉の特徴として、「来年は悪い状態を乗り越えるのだ!」ということを表現したいという場合が多く、その「悪い状態」を表す時についつい使ってしまいがちです。でも、これらの言葉は見た目にも、聞いた感じでも悪い印象があり、その言葉がどのような状態で使われているかどうかよりも、目や耳に残ってしまいます。特に受験生がいるご家庭の場合などは、想像以上に敏感になっていることが多いので気をつけたいものです。
このような場合には、他の言葉に変換するか、「悪い状態」をあえて書かないかで対応することを提案します。
言い換えの例
- 去年は大変お世話になりました。→昨年は……
- 良いスタートを切りましょう!→良いスタートにしましょう!
- 部署は別れても心は一つです。→部署は変わっても……
- 先輩には、死ぬほどお世話になって……→とても
- これは幸先良い滑り出しですね!→幸先良いスタート
- 昨年は気持ちが落ち込んだ時に助けてくださり……→どんな時にも……
- 今年の私は、転んでもただでは起きません!→今年の私は、七転び八起き
- どんなにつまづいても、前に進みます。→どんなことがあっても……
新年の挨拶はいつまで?
新年をいつまでとするかということについては、7日までという「松の内」説と、15日までという「小正月」説があります。また、人によっては「新しい年に初めて会った時」としている場合もあるようです。
小正月までというのは、地域によるところが大きいので、基本的には日本全国共通の松の内までが良いとされています。ただし、仕事始めがこれ以降になる場合は、「新しい年に初めて会った時」としても良いでしょう。しかし、さすがに小正月を過ぎると、新年の感覚は薄れてきますので、注意が必要です。
好感を持たれる新年の挨拶は?
定番の挨拶に、相手としか交わせない言葉を入れるのが、好感を持たれる新年の挨拶です。
具体的には、名前を加えることと、具体的事例を入れることです。
相手の名前を入れる
例えば「新年明けましておめでとうございます。」という挨拶ですが、初詣や出かけ先などでばったり知人に会った場合は、「○○さん」と改めて名前を呼んでから、挨拶を続けると良いでしょう。
例
- ○○様、新年明けましておめでとうございます。
- ○○部長、 新年明けましておめでとうございます。
- ○○さん、新年明けましておめでとうございます。
自分が名前を呼ばれた場面を想像してみてください。グッときませんか? 名前を呼ぶ効果は想定以上ですよね。
典型的な例文に具体例を落とし込む
「旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。」
この誰宛にでも使えるテンプレートに、本当にあった相手との関わりを入れるのです。
例
- 旧年中、○○の件では大変お世話になりました。誠にありがとうございました。
- 旧年中は、色々お世話になりましたが、○○のことが印象深く心に残っております。その節は本当にありがとうございました。
自分の為だけに旧年を振り返ってくれたということが伝わってくると思います。これは、新年のご挨拶メールや年賀状にも使えるテクニックです。
一年の計は元旦にあり。正しく、そして愛される言葉を使って、良い一年を。
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