「俺は悪くない!」児童相談所で逆ギレする夫。娘を取り戻すための唯一の条件は「別居」。43歳・妻が決断した未来【行政書士が解説】
夫からの性的強要に悩んでいた美穂さん(43歳)。ある夜、夫婦の営みを娘の瑞穂さん(13歳)に目撃されてしまいます。その日を境に心を閉ざしてしまった瑞穂さん。やがて学校からの通報で事態を把握した児童相談所が家庭に介入し、「ご夫婦の行為は性的虐待にあたります」として、瑞穂さんを一時保護。突然、娘を連れていかれてしまった美穂さんは、どうすれば娘を取り戻せるのでしょうか。
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『児童相談所に一時保護された娘(13歳)を取り戻したい!通報の原因は、夫による「性生活の強要」。現場を目撃してしまった娘が情緒不安定に』
【行政書士がみた、夫婦問題と危機管理 #26】後編
※画像はイメージ写真です。
<家族構成と登場人物、属性(すべて仮名。年齢は現在)
夫:千葉浩平(44歳)→会社員(年収650万円)
妻:千葉美穂(43歳)→パートタイマー(年収130万円)☆今回の相談者
夫婦の子:千葉瑞穂(13歳)→中学生
妻の父:山本太助(66歳)→年金生活
妻の母:山本かおり(64歳)→年金生活
児童相談所の職員:三浦志保
「夫婦なんだから当たり前だろ!」児童相談所で逆ギレする夫
筆者から「児童相談所が預かれるのは最短で2ヵ月。それ以降は施設に移される可能性もあります」と聞いた美穂さんは、「両親が揃っているのに施設に入れるなんてとんでもないです!」と憤り、翌日、夫と共に児童相談所を訪れました。
職員から「大事なのは娘さんの気持ちです。二度と同じことをしないと約束できますか?」と尋ねられると、美穂さんが答えるより先に夫が口を開きました。「事情は妻から聞きました。正直なところ、何なんだって怒っています。うちの夫婦のことですよね、児童相談所が介入する話じゃないんじゃないですか?」。職員が「娘さんはまた同じことを見せられたらどうしようと心配しています」と返しても、夫の態度は変わりません。
「僕が子どもの頃はね。両親のそういうのを見たことだってありますよ。でも『まぁ、そんなものか』という感じで、何とも思わなかったですよ」。さらに夫は、「これで性的虐待なんてちゃんちゃらおかしいですよ!夫婦なんだから、することをするでしょ?他のお宅はどうしてるんですか?!」と逆上し、一人で席を立って帰ってしまったのです。
娘を取り戻すための究極の選択…「ご主人と別居するなら」
一人残された美穂さんは、「こんな主人で大変申し訳ありません」と謝るしかありませんでした。そして、「私だってしたくてしているわけじゃないんです。でも主人の方が力は強いし、あとで機嫌が悪くなるのも嫌だから、しょうがなくって感じなんです」と本音を打ち明けました。
すると職員は、待っていたかのようにこう言いました。「それじゃ、ご主人から求められたら断れないってことですよね。そうすると娘さんがまた目撃してしまう可能性もゼロではない…これでは娘さんをお返しすることはできませんよ。娘さんが安心して生活できる環境を整えてください」。
美穂さんが「お願いです。娘を返してください。なんでもしますから」と涙ながらに訴えると、職員は一つの可能性を示しました。「そうですね。ご主人がいる限り、ご夫婦のことを信用することはできません。例えば、ご主人と別居…奥さんと娘さんが二人きりで暮らせるのなら、考えないでもありませんよ」。それは、娘を取り戻すための、あまりにも重い条件でした。
「娘とあなたのプライド、どっちが大事なの?」
帰宅するやいなや、美穂さんは夫に「さっきの態度は何なの?思っていることを言えばいいってもんじゃないでしょ?」と詰め寄りました。しかし夫は「何だ?俺に嘘をつけって言うのか?!お前だって同じように思っていたんじゃないのか?」と開き直るばかり。美穂さんが「今はあの子のことが最優先じゃないの!瑞穂を連れ戻すためなら、嘘の一つや二つはしょうがないじゃない!」と言い返しても、夫はため息をつくだけで、反省の言葉一つ口にしませんでした。
ついに美穂さんは問いかけます。「娘のことが大事じゃないの?あなたのプライドと、どっちが大事なの?」。夫はただ黙り込み、一言も発しませんでした。その沈黙が、夫婦関係の終わりを告げていました。
筆者はかねて「別居するならお金が必要ですよ」と助言していました。美穂さんはすぐに実家の母親に電話し、すべてを説明。夫が出ていく気配はないため、自分と娘が住むための賃貸物件の初期費用と当座の生活費として現金100万円の援助、そして保証人になってほしいと父親に頼みました。祖父母は「瑞穂ちゃんのためなら」と二つ返事で快諾してくれました。
有事にこそ人の本性が現れる。妻が下した最後の決断
娘が保護されてから2ヵ月後、美穂さんはついに別の賃貸物件を契約し、最低限の家財を揃えて娘を迎えに行きました。職員は引き渡しを承諾しましたが、一つだけ条件を出しました。夫が訪ねてこられないよう、新しい住所は絶対に教えないこと。
こうして美穂さんは、夫を切り捨てて娘との生活を選んだのです。筆者が「これからどうするつもりですか?」と尋ねると、彼女は少し迷った後、はっきりとこう答えました。「できれば主人と離婚したいと思っています」。平穏な日常は、人の本性を隠してくれます。美穂さんも、夫からの性的強要という問題から目をそらし続けてきました。しかし、娘が連れ去られるという「有事」に直面したとき、夫の本性が明らかになったのです。
元を正せば、すべての原因は夫の性的強要にありました。娘の心の傷よりも自分のプライドや欲求を優先する夫。美穂さんは「もともと自己中だと思っていましたが、ここまでとは思いませんでした」と嘆きましたが、その目には迷いはありませんでした。娘にとって、夫はもはや「いない方がいい存在」。離婚こそが、母娘が未来へ進むための最善の道だと確信したのです。
<出典>
内閣府の令和5年、男女間における暴力に関する調査 https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/pdf/r05danjokan-gaiyo.pdf
MR探偵事務所の夫婦関係の満足度調査(2026年)
https://news.3rd-in.co.jp/article/a5aa7fbe-6f7d-11f1-a424-9ca3ba09c411#google_vignette
児童相談所が対応した児童虐待の相談件数 https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/a176de99-390e-4065-a7fb-fe569ab2450c/844e601a/20260130_policies_jidougyakutai_45.pdf
家庭庁が公表している「児童虐待防止対策」
https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai
厚生労働省の福祉行政報告例(2023年) https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/gyousei/232/dl/gaikyo.pdf
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