コロナ貧乏、「稼ぎまくりおじさん」が転落した知られざる穴の正体
さんきゅう倉田です。東京国税局を退職して、芸人をしています。
税金やお金の話が好きだし、得意なので、大きくお金を稼いでいる人の話を積極的に聞いています。大きく稼ぐ人は、大きく売上を下げることもあります。
今年のコロナの影響で売上を下げたとあるおじさんは、ほうぼうからお金を借りているようです。
予兆はコロナ前からあった。2019年の年末ごろ…
年間の売上が平均4,000万円を超えている頭中将(とうのちゅうじょう)さんは、毎月好きなだけお金を使っています。それだけ稼いでいても、貯金は全くありません。
大きな取引が重なり、前年の売上は9,000万円を超えました。今思えば、その頃の頭中将さんはいつもご機嫌でした。ぼくもその時点でなにか仕事をもらえばよかった。
しかし、2019年の終わり頃から、雲行きが怪しくなっていきました。取引先のアメリカ本社が大きく傾いたことで、仕事が減り、売上が極端に下がってしまいました。
そのまま売上が回復することなく、税金の納期限を迎えます。一括での納税ができず、区の税務課に分割の相談に行きました。利息はかかってしまいますが、払えない以上仕方がありません。
一度分割にしてもらい、後日、知人から無利息で300万円ほど借り入れて、納税を行っていました。納税で訪れた区役所では、お札を数える機械のセッティングで15分ほど待たされ、「そこそこ忙しいんだぞ!15分でどんだけ稼げると思ってるんだ」と叫んだそうです。
会食のときにその話を聞き、「滞納さえしなければ、こんなことにはならないんですよ」という言葉が喉まで出てきていました。が、飲み込んで、ここで悪魔に魂を売ってしまいました。
悪魔も別に、ぼくの魂なんて買いたいと思っていなかったと思います。ぼくが他より価格を下げて、取引を持ちかけました。とくに付加価値もないぼくの魂。同じ年齢の芸人の魂は、東京で数多売られています。買い手もつかない不良在庫です。きっと、悪魔も売り先に困って、100円ショップなどに二束三文で卸すでしょう。
長々失礼しました。結果的に、「滞納さえしなければ」のかわりに、「ほんと、待たせるなんて酷いですね」と言ってしまいました。
運が悪いとしか言いようがない。コロナでさらに暗転するお金フロー
頭中将さんは、その後も売上を伸ばすことができませんでした。300万円を借りたのは、コロナが流行する前の2020年1月のこと。それから、生活費を稼ぐことができなくなり、さらに借り入れを行います。
家賃はおよそ50万円。家族もいるため、生活費だけで100万円以上かかります。3月頃から、金融公庫などが特別貸付を行うことが決まり、そこに相談に行きました。
前年の確定申告書などを提出し、1,000万円の融資を申し込みます。約1カ月後、500万円の融資が決まりました。
この時、まだ楽観的だった頭中将さんは、海外への視察を検討していました。
南米で新たな取引先を発掘しようと目論んでいたのです。あまつさえ、同伴者としてぼくを誘いました。お誘いは大変嬉しいことですが、航空券や滞在費だけでも数十万円はかかるでしょう。
せっかくの借り入れをそんなに簡単に消費してよいのでしょうか。ぼくには一抹の不安がありました。
案の定、売上がさらに減った頭中将さんは、3カ月後に、さらに借り入れをすることになってしまいます。
借り入れても借り入れても、生活のレベルが落とせない悪循環
結局、総額1,500万円ほど借り生活費に当てているようです。しかし、支出はなかなか抑えることができません。
仕事が減ってしまった分、時間が余っています。家にいてもやることがないので、友人を誘ってでかけます。そうすると、飲食代や宿泊代でお金が出ていきます。
売上が多かった頃より、支出の機会が多くなってしまいました。
先日、ふたりで食事をし、そんな話を聞きました。ただ、生活水準を落とそうと努めてはいるようです。その日は、今まで絶対に行かなかったような、ファミリー向けの定食屋さんを利用したのです。
美味しいものを好み、夜の1食に全力を捧げているぼくとしてはとても残念ですが、危機的状況を乗り越える志を持っている様子がわかってよかったと思います。次回は、頭中将さん最大の失敗を紹介します。
生活の規模が見直せない人が失っているもの
コロナで浮き彫りになったのは、ぼくたちは意外に「他人の目線」で行動していたということ。
周囲が持っている、やっているという理由でしていることがとても多かった。
ですが、生粋のお金持ちは生活の規模が完成しています。
人生を鷹揚に捉える、他人を否定しない、身繕いをきちんとしている、
必要な分野についての勉強をコツコツ続ける、生活リズムを維持できる。
そんなお金持ちの類型を抽出して、電子書籍を出版しました。
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こちらから>>>『お金持ちがしない42のこと』(主婦の友社)
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