恐怖に怯える日々。安易な不倫の代償はあまりに大きかった。【不倫の精算#38】後編

2022.02.11 LOVE

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前編:別れてくれない不倫相手。周囲に関係をバラすことまで匂わせはじめ…の続きです

不倫を選ぶ女性たちの背景には何があるのか、またこれからどうするのか、垣間見えた胸の内をご紹介します。

 

体は満足できたけれど

その男性と過ごすベッドでの時間は、Uさんいわく「体の相性が良くて盛り上がった」そうで、10年以上他人の肌に触れていなかったUさんは、久しく忘れていた刺激に溺れていったのだという。

 

レスだということを聞いていた男性も「そんな旦那は放っておいて、もっと楽しまないと」と行為では尽くしてくれて、体のほうは満足できたそうだ。

 

予想通り、好きだの何だのと恋愛みたいな空気はなく、夫には残業と嘘をついて時間を作り、男性と会えばホテルに直行して下品なことに没頭する時間が、Uさんにとっては“最高の息抜き”だった。

 

男性も自分との行為にのめり込んでいるのは伝わるし、このままでもいいかと思っていたが、事態が変わったのは感染者の増加により住んでいる街にまん延防止措置が決まったことだった。

 

外出の規制はより厳しくなり、残業の言い訳が通じなくなったことでUさんは不倫に時間を割けなくなった。

夫にバレるのは絶対に防ぎたい一方で、「どうせ体だけだし、しばらく会わなくても文句は出ないはず。こんなご時世にラブホテルなんて、危険極まりないのは理解しているだろうし」と、不倫相手の気持ちについて“甘く”見積もっていた。

 

これが、Uさんが続けて外した”目論見”だった。

 

関係を迫る不倫相手の実態

不倫相手の男性は、Uさんの気持ちを聞いて納得しなかったそうだ。

 

「自分たちは店でご飯を食べたりしないし、ホテルだけだから感染の危険はない」

「ホテルも感染防止の対策はしっかりやっているはず」

「家から出られないなら、俺がアリバイ作りに協力するから」

 

と、ひたすら今まで通り会うことを求めてきた。

 

Uさんは最初「私も会いたいけど、万が一があると困るから」とやんわり応じていたが、嫌悪感が生まれたのは

 

「俺は我慢できないのだけど」

 

と、自分の欲だけを押し付ける言葉だった。

 

「もちろん私だってしたい気持ちはあるけど、今は無理じゃないですか。

絶対に大丈夫なんて言えるはずないし、これで万が一感染してしまったら、私はどうなるのです?

コロナのときに不倫なんかして感染してって、最悪じゃないですか」

 

Uさんの文章には怒りがこもっていた。

 

独身でひとり暮らしの男性と違い、こちらは子どもこそいないけれど結婚していて配偶者がいる、バレてしまえば大問題になる。

そんな事情をいっさい考えない相手に、あれこれ説得するよりフェードアウトが早い、となるのも当然だろうと思った。

 

既婚女性の大きな「失敗」とは

Uさんの犯した失敗は、相手の男性にLINEのIDを教えていることだった。

 

どうせ会う約束のときしかやり取りをしないし、と求められるまま教えていたが、未読スルーを続けるUさんに対し、この男性は

 

「無視するのなら、あなたを探そうかな。○○町あたりって言っていたよね?」

「やり取りはスクショしているから、不倫ってすぐわかるよ」

 

と、関係をバラすことをにおわせ始めたのだった。

 

LINEのメッセージには、ホテルで過ごしたことも行為が楽しかったことも書いてある。

 

「本名は隠して会っていたし、住所も勤めている会社も教えていないですよね?」

 

と筆者が確認すると、

 

「はい。でも、住んでいる町は本当のことを教えていて、仕事の内容も接客業とそのまま言ってしまっていて……」

 

Uさんの不安は、男性が自分を突き止めて夫に不倫の証拠を示すことだったが、正直にいえば短絡的にこんなメッセージを送ってくる男性にそこまでの賢さがあるとは思えず、どこまでも“コケ脅し“だろうなと感じた。

 

本当にそれをする気なら、本人には言わず水面下で進めるものなのだ。

相手に悟られてしまえば自衛を強化するのが当然で、それを防ぐために“本気の人”は黙って動く。

あからさまに手の内をさらすなど、ようは駄々をこねるのと同じなのだ。

 

安易な不倫の代償

「私の感想としては、そのままスルーが一番と感じます。

突き止めるったって、名前も会社も知らない以上は追跡のしようがないし、その人はUさんをどこから探すのですかね。

たとえばどこかで張り込むとか、本当にそこまでする人と思いますか?

ただ不倫相手を突き止めるためだけに」

 

そうメールで送ると、数時間後に

 

「はい、冷静になったら、あの人にそんな行動力はないと思います。

行くホテルすら『よく知らない』で検索しようともしないし、マスクも使ったものをクルマのダッシュボードに放置するようなだらしない人だし、やっぱり私に言うことをきかせたいだけですよね」

 

と返ってきて、現実を見る余裕を取り戻したことがわかった。

 

「こんな男と関わったのが、運の尽きですよね」

 

Uさんの言葉を見つめながら、これが安易な不倫の代償だ、と改めて思った。

 

相手の暴走を目の当たりにすれば、恐怖を覚えるのは当然だ。

「こんなはずでは」と思うのもわかるが、これが現実なのだ。

誰かに相談したくても、気軽にできる話ではないので頼れる人がいない。

 

トラブルが起こったとき、責任を取るのはどこまでも自分でしかない。

 

二度と不倫なんかしないほうがいいですよ。

その言葉を飲み込んで、代わりに

 

「旦那さまとの確執と向き合うことも、落ち着いたら考えてみてくださいね」

 

と書き、エンターキーを押した。

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