45歳にもなって不倫相手にその態度は…幼稚すぎる女の末路【不倫の精算#41】後編
前編「10歳年下の不倫相手」体はいいのに逃げ出したくなる瞬間とは」の続きです。
後ろ指をさされる関係とわかっていても、やめられない不毛なつながり。
不倫を選ぶ女性たちの背景には何があるのか、またこれからどうするのか、垣間見えた胸の内をご紹介します。
不倫相手に「夫の愚痴を浴びせ続ける」、それでいいと思ってしまう不幸
「会っているときは、そんな感じはなかったのですよね?」
何とかサラダを食べ終え、のろのろとパスタの皿に視軸を移すXさんを見つめながら尋ねた。
「ええと、うん、そうね。
最後に会ったときもホテルに行って、いつも通りだったと思う」
Xさんと独身男性は、いつも決まったホテルを利用していた。
平日の夜だったり日曜日だったり、お互いにフルタイムで出社する仕事だったため、前もって約束するより都合のついたときにどちらからでも提案するのが常で、ホテルを探す時間も惜しかったのだ。
45歳という年齢の割に引き締まったプロポーションをしているXさんは、男性と過ごすベッドの時間を精力的に楽しんでいた。
男盛りを過ぎていない男性のほうも、それにしっかり応えてくれる体力があったそうだ。
だが、気になったのは
「彼ね、いつも私の愚痴を聞いてくれていたのよ」
とXさんから続けて出た言葉だった。
その愚痴とは夫のことだろうかと思って尋ねると、
「そう。
家事が下手とか夜はさっさと自分の寝室に入るとか言っていたのだけど、『大変だね』って慰めてくれるの」
「……」
話すのか、夫のことを。
これは初耳だったが、初耳であること自体、Xさんがそんな自分に違和感を持っていないことを証明していた。
この世には「不倫相手に話してはいけないこと」がある
「……嫌じゃないんですか? 彼といるときに旦那のことを話題にするのって」
フォークを下げてそう言うと、Xさんは
「旦那のことって言っても好きじゃないしね、彼もうんうんって聞いてくれるし、別に嫌な気はしなかったけど」
と、意外そうな表情を作ってこちらを見た。
その、「何でそんなことを知りたがるのか」と問うような目は、不倫相手の前で配偶者を貶すことに何の疑問も持っていない。
実家が裕福なこと、不妊治療にお金を出してもらっていたこと、その大変さから逃げ出したこと、それ以来仮面夫婦状態であること、お互いの予定などいっさい把握せず日常を過ごしていること。
具体的に話せば話すほど、不倫相手の男性の中で「Xさんの夫」は輪郭を濃くしていく。
あからさまな言葉で伝えているだろう彼女の姿はすぐに想像できるが、自分以外の男性、しかも配偶者を罵る女性に、愛情を感じるのだろうか。
「その人は……本当に楽しかったでしょうかね」
思わず漏れた言葉に、しまったと思ったがすでに遅く、Xさんは「どういう意味?」とすぐに反応した。
強い光を帯びた瞳には、怒りが感じられた。
制御されない「怒り」とは、基本的に幼稚なものである。それがわからない45歳
Xさんの、フォークを握る指に力がこもっているのがわかる。
そうだ、こうやってすぐに怒りを見せるから、それをためらわない人だから、返す言葉には慎重になっていたのだ。
だが、もう遅い。
「私なら、好きな人と一緒にいるときに、別の男の話はしないですね」
「それは」
こちらが言い終わるとすぐに言葉を返すのもいつものことで、言われたことを深く考える余裕のなさが伝わってきた。
「何よ、私が悪いってこと?」
低い口調でつぶやく。
過程をすっ飛ばしていきなり結論を求める。
自分を否定されたと感じると、話の本質より善悪を決めることに囚われる。
不倫相手である既婚男性の前でも、こんな姿を晒していたのだろう。
こうなると、もうまともな話し合いはできない。
険悪な空気を撒き散らすXさんの姿に、食欲が失せた私はフォークを置いた。
不倫相手との別れについて話すはずだったが、たった一瞬でその機会は消えた。
相手が何を以て別れを決めたかは、本人に確認するしか真実を知るすべはない。
言えるのはそれだけだったが、おそらくそれをXさんが知ることはないだろうな、と伝票に手を伸ばしながら思った。
*このシリーズの一覧
前編>>>「10歳年下の不倫相手」体はいいのに逃げ出したくなる瞬間とは【不倫の精算#41】
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