「考え直してくださいよ」大人なら何て言う?「◯◯◯願えませんでしょうか」(後編)
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正解は……
「ご再考願えませんでしょうか」です。
「考え直す」をビジネスシーンなどで使える改まった言葉に言い換えると「再考する」となります。ただし、「考え直す」だけを言い換えて「再考してくださいよ」と言ってしまうと押し付けがましい印象を与えてしまうので、露骨な表現にしないために「願えませんでしょうか」と言い換えます。
「一度考えてみてください」は何て言う?
では「一度考えてみてください」はなんと言い換えるとよいでしょうか。
「考え直す」が「再考」なので、「一度考える」は……
正解は「ご一考いただきたく存じます」です。
とはいえ、「考え直してくださいよ」も「一度考えてみてください」も、場面によっては相手にやや否定的な印象や強制的な印象を与えてしまう場合があるので、クッション言葉や「願えませんでしょうか」のような婉曲的な表現、「一考」の類語表現への置き換えなど、さまざまな表現を用意していくことをおすすめします。
「一考」の類語表現には例えば
- ご考慮
- ご配慮
- ご勘案
などが挙げられます。それぞれの意味は以下の通りです。
- 一考 一度考えてみること
- 考慮 物事を、いろいろの要素を含めてよく考えること
- 配慮 心をくばること。心づかい
- 勘案 あれこれと考え合わせること
(出典元:小学館 デジタル大辞泉)
敬語を使い慣れていない人にとっては、微妙な意味合いを使い分けるのは困難に思われるかもしれませんが、最も大切なのは敬語表現を間違えないことではなく、相手に対する尊敬の気持ちを表すことです。
自分の敬語表現がその場に適切かどうかを考えつつ、さまざまな敬語表現に挑戦してみてください。
参考文献:本郷陽二著『大人の語彙力 敬語トレーニング100』(2018年、日本経済新聞出版社)
出典>>「考え直してくださいよ」大人なら何て言う?「◯◯◯願えませんでしょうか」
上司に「わかりました」と伝えたい時、なんて言う?
目上の人から問いかけられ、「わかった」という旨を伝えたい時、なんと答えるべきか咄嗟に出てこず焦ってしまった人も少なくないのでは?一見すると「わかりました」は丁寧な表現のようにも思えるのですが、目上の人に失礼に感じられてしまう可能性も。
まずは正解を見てみましょう。
正解は……
「かしこまりました」は動詞「かしこまる」+丁寧語の「ます(ました)」、「承りました」は「承る」+丁寧語「ます(ました)」が付いた言葉です。
「かしこまる」には
1 身分の高い人、目上の人の前などで、おそれ敬う気持ちを表して謹んだ態度をとる。
2 謹みの気持ちを表し堅苦しく姿勢を正して座る。正座する。
3 命令・依頼などを謹んで承る意を表す。承りました。
4 堅苦しい感じがする。窮屈である。
5 恐縮して感謝する。
6 わびを言う。言いわけをする。
7 謹慎する。出典元:小学館 デジタル大辞泉
の意味が、「承る」には
1 「受ける」の謙譲語。謹んで受ける。お受けする。
2 「聞く」の謙譲語。謹んで聞く。拝聴する。
3 「伝え聞く」の謙譲語。
4 引き受ける意の謙譲語。謹んでお引き受けする。出典元:小学館 デジタル大辞泉
の意味があります。これらの表現には相手の要望や依頼を「謹んで受け取る」意味合いが強いです。
一方、単に「わかりました」の意味をきちんとした言葉に言い換えるだけであれば「承知しました」が最も適しているかもしれません。というのも「承知しました」の「承知」には、「かしこまる」や「承る」が持つような意味合いはなく、
1 事情などを知ること。また、知っていること。わかっていること。
2 依頼・要求などを聞き入れること。承諾。
3 相手の事情などを理解して許すこと。多く下に打消しの語を伴って用いる。出典元:小学館 デジタル大辞泉
純粋に「理解した」「聞き入れた」ことを意味するからです。
とはいえ上記3つの表現は、目上の人に対して「わかりました」と返答したい時に役立つ表現です。ぜひこれらの言葉に置き換えて使ってみてください。
出典>>【仕事のマナー】上司に「わかりました」と伝えたい時、なんて言う?スポンサーリンク