そう、私が欲しかったのは旦那じゃなくて「彼氏」【不倫の精算・リバイバル4】(前編)
どうして彼女たちは妻ある男と関係を持つのか。
彼女たちは、幸福なのか。不幸なのか。
恋愛心理をただひたすら傾聴し続けたひろたかおりが迫る、「道ならぬ恋」の背景。
結婚には向かない自分
–「結婚しているオトコのほうがラクだしさぁ」
D子(36歳)の口ぐせだった。
待ち合わせにお願いされたカフェは、ランチ時もあって若い女性たちで混み合っていた。ゆっくりしたいからと奥の壁際の席を確保して、メニューを開く。
「あ、これ、あの人のおすすめだって」
料理を指差して嬉しそうに話す彼女に提案されるまま、それを注文した。
そこは、D子の彼が経営するカフェだった。彼女と同い年の彼はほかにもバルのお店を持っていたりと、飲食業を展開する実業家だ。
D子は、そのお店のひとつで彼と知り合った。美味しいお酒と暗めの照明が気に入って通ううちに挨拶され、それからは彼目当てに足を向けるようになった。
「忙しくてなかなか会えないけどね、それがいいのよ」
運ばれてきたお水を飲みながら、D子は笑う。
D子はフリーランスでデザインの仕事をしている。仕事場は実家で家族と同居だが、家事などの負担が少ない分仕事をする以外は趣味のランニングを楽しむ時間があり、「今の自分にまったく不満はない」のが現状だった。
結婚を考えたことはあるが、
「私、結婚向きじゃないのよ。自分の時間が大事だし。結婚して子どもができたら何にもできなくなりそう」
と早々に諦めた。
ランニングは県外のフルマラソンに出場するほどハマっていて、日々のトレーニングを欠かさない。走る時間、筋トレをしにジムに行く時間、そして仕事をする時間と、恋愛に割く余裕がないのが現実だった。
D子の彼は既婚で、妻も子どももいる。だが、そのことに不満を抱いたことはない、と彼女はきっぱりと言い切った。
次のページ▶▶本当はこんな自分に完全に満足しているわけじゃない。取り残される不安と焦り…
取材・文/ひろたかおり
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