「いはち」ではありません。「衣鉢」の読み方、知っていますか?
本記事では意外と読めない漢字のクイズを出題します。本記事でご紹介するのは「衣鉢」です。
「衣鉢」の読み方は?
「鉢」という漢字は、皿より深く、口の大きい器を表す際には「はち」と読みます。しかし「衣鉢」を「いはち」と読むのは残念ながら間違いです。
まずは正解を見てみましょう。
正解は……
「いはつ」です。「えはつ」とも読みます。辞書によっては「えはつ」が先に来ることもあります。
「衣鉢」とは
①仏師の僧が弟子に与える袈裟(ケサ)と托鉢(タクハツ)の鉢。転じて宗義。奥義。
②学問・芸術などで、師が弟子に伝える奥義。出典:イハツ|言葉|漢字ペディア
という意味です。
その語源は、達磨大師が、教えを授けた弟子の慧可(エカ)に、釈迦(シャカ)から伝えられた袈裟を鉢とともに与えた故事からきています(出典:同上)。
「鉢」は音読みで「ハチ・ハツ」と読みます。訓読みはありません。他に「鉢(ハツ)」と読む言葉には「托鉢(タクハツ)」「鉄鉢(テッパツ)」があげられます。
「托鉢」も仏教に関連する言葉です。「托鉢」とは
僧尼が修行のため、経を唱えながら各戸の前に立ち、食物や金銭を鉢に受けて回ること。乞食。行乞。
出典:小学館 デジタル大辞泉
という意味です。
上記に「乞食」とあることに驚きましたが、「乞食」は読み方によって「托鉢」と同じ意味を表します。「乞食(こじき)」と読むと、以下の意味になります。
1 食物や金銭を人から恵んでもらって生活すること。また、その人。ものもらい。おこも。
2 「こつじき1」に同じ。出典:小学館 デジタル大辞泉
一方、「托鉢」と同じ意味で表す場合には「こつじき」と読みます(「こつじき」にも「こじき」と同じ意味は含まれる)。
そして「鉄鉢(テッパツ)」は
1 鉄製の鉢。僧が托鉢で食物などを受けるのに用いる。応器。てつばち。
2 兜の鉢が鉄製のもの。かなばち。出典:小学館 デジタル大辞泉
という意味です。
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