若手のお作法を注意したいが「ハラスメント」と言われるのが心配。そんなときに知っておきたい「ちょうどいい叱り方」とは
40〜50代ともなると、職場の部下や年下社員にマナーや言動について目につくことが増えてくるでしょう。良かれと思って何気なく、感情的に注意してしまうと「でた、お局様」「ちょーうざい」などと煙たがられてしまいがちです。
とりわけ「褒めて伸ばす」で育ってきたZ世代に対して、どのような言葉を使えばいいのか……いくら正しいことを伝えても、相手が聞く耳を持たなければ、ただの「年寄りの嫌な説教」としてスルーされてしまいます。
そこで今回は、角が立たずにうまく効果的にマナーを伝えるコツを、ビジネスマナーに詳しいマナーコンサルタントの西出ひろ子さんに教わります。
「挨拶をしない若手」にうまい具合に注意をするには、どういう言葉が適切なのか?
職場で日々、次のような部下や若手社員の目に余る言動を目の当たりにして、いてもたってもいられなくなっていませんか?
・挨拶をしない
・寝坊遅刻をする
・仕事の期限を守らない
・間違った敬語を使っている
・態度や言葉遣いがよくない
・報告・連絡・相談をしない
・身だしなみがよくない
・お茶出しやお菓子配りの仕方、給湯室の使い方が雑
これらのことを直接、注意したいとき、どんな風に伝えていますか?
まずは若手が「恐怖にかられる」ベテランの行動を考えてみます
40〜50代ともなれば、職場で何か目立った言動をしてしまうと、若手社員から「お局さまこわい」と思われてしまったり、煙たがられてしまったりすることも。ボタンの掛け違えが起きたまま接すると、場合によってはハラスメントと捉えられ、訴え出られてしまうこともあるかもしれません。
特に次のような注意の仕方は、批判されがちです。なぜよくないのでしょうか。西出さんに理由を解説していただきました。
1.男性社員よりも女性社員ばかり注意する
「男女という性別で明らかに差がついていること自体が問題と感じます。注意のポイントが偶然にも結果的に女性社員ばかりだったのか、それとも『女性だから』という理由でそうなっているのかで、NG判定は変わってくるでしょう。明らかに『女性だから』という理由がわかるようであれば、女性には厳しい、男性にいい顔をしたいという思いがあるのではないかと思われ、批判の対象になりやすくなるでしょう」
2.愚痴や陰口を言う
「マナーの本質は『相手の立場に立つ』です。自分が愚痴や陰口として伝えられたらどう思うかを考えてみましょう。自分がされて嫌なことは、人にはしない、人には言わないということもマナーです。伝えたいことがあれば、正々堂々と本人に伝えて、愚痴や陰口ではない手段で良好なコミュニケーションへ改善させましょう」
3.自分のことを棚に上げて注意する
「これは『自分も同じことをやっている』ことに気付けていないことが問題ですね。できていないのにできていると思い込んでいるのかもしれません。マナーはできている人ほど謙虚ですし、学び続けます。『私はできているわ』と言う人ほど、できていないことが多いのです」
4.そのときの気分によって感情的に注意する
「仕事をしていれば、注意をすることもされることもあるでしょう。しかし、その注意は会社やお客様、最終的にはその相手にとってビジネスとしてプラスになるから注意をするわけです。気分や感情的に注意をすることは、明らかに自己中心であり、マナーの欠如と言っても過言ではないでしょう」
5.「そんなこともできないの?」と見下しながら言う
「前述の通り、マナーとは『相手の立場に立てるかどうか』が大きなポイントです。自分では一所懸命行っていることなどに対して、見下しながら言われたらどうでしょうか。良い気分にはなりませんよね。これでは注意された相手も改善したい気持ちが起きてきにくいでしょう」
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