名もなき二人が駆け上がる 『豊臣兄弟!』第1話の見どころと伏線。藤吉郎の「偉くなりたい」その理由に感動…【NHK大河『豊臣兄弟!』1話】

2026.01.06 LIFE

*TOP画像/小一郎(仲野太賀) 藤吉郎(池松壮亮) 大河ドラマ『豊臣兄弟!』1話(1月4日放送)より(C)NHK

 

戦国時代のど真ん中を舞台にした『豊臣兄弟!』(NHK総合ほか)の主人公は仲野太賀が演じる豊臣秀長。兄弟の絆で“天下統一”という偉業を成し遂げた豊臣兄弟の奇跡を描いた大河ドラマ『豊臣兄弟!』(NHK総合ほか)の第1話が1月4日に放送されました。40代50代働く女性の目線で毎話、作品の内容や時代背景を深掘り解説していきます。

▶▶「戦国時代は男の時代じゃない」ってホント!? 女性たちが担った大きな役割と「生き抜く知恵」とは。大河ドラマ『豊臣兄弟』を楽しむためのヒント

 

名もなき2匹の猿が“どん底の暮らし”から“天下人”へ駆け上がる夢物語

小一郎(仲野太賀) 藤吉郎(池松壮亮) 大河ドラマ『豊臣兄弟』1話(1月4日放送)より(C)NHK

ついに、『豊臣兄弟!』の1話が幕を開けました。アニメーションで描かれた尾張国・中村ののどかな農村地帯が広がり、小鳥のさえずりが響き渡る中、2匹の猿が軽やかに駆け巡るシーンから物語が始まります。そして、この2匹の猿は小一郎(仲野太賀)と藤吉郎(池松壮亮)の姿へと変わり……。

 

本作は、小一郎と藤吉郎のテンポがよく、軽やかな掛け合いが心地よく、二人の息の合った演技が魅力になりそうです。きょうだいだからこその遠慮のないやりとり、絶妙なタイミングでのツッコミに笑いを誘われました。

 

主人公・小一郎を演じる仲野太賀は、素朴な見た目が同世代の俳優の中でも際立って個性的で、農村育ちの小一郎の雰囲気にぴったり合っています。また、仲野といえばコミカルな演技も得意で、早口の台詞回しもお手のものですが、本作でもその持ち味が存分に発揮され、見事な演技でした。一方、藤吉郎を演じる池松壮亮は都会的で、好青年のイメージが強いものの、軽やかな身体能力、力のこもった台詞の言いまわしから、後の豊臣秀吉となる男の強靭さを強く感じました。

 

また、藤吉郎と小一郎の家族も魅力的な面々でした。母であるなか(坂井真紀)は息子に迷惑をかけられても許してしまう寛大さを持ち、我が子に愛情を注いでいます。とも(宮澤エマ)は気が強く、しっかり者で、きょうだいだからこそ藤吉郎のホラ話や無責任さにうんざりし、末っ子のあさひ(倉沢杏菜)は幼さゆえに藤吉郎の過去の失態を知らず、きょうだいから迷惑がられる藤吉郎を笑って受け入れる天真爛漫さを見せていました。1話においても一人ひとりの個性がゆたかに描かれていましたが、一家の男たちの出世とともに、人生がどう変化していくかも見所です。

 

農村での暮らしは過酷、小一郎の賢さが垣間見えるシーンも

乱世の時代、百姓として農村部で暮らしていれば平穏、安全というわけではなく、戦が起きれば徴兵されましたし、農作物の収穫量は天候によって左右されたため不安定な生活を余儀なくされました。

そうした中で、玄太(高尾悠希)と信吉(若林時英)の間で諍いが起きました。玄太は「このこそ泥が!」と言い放ち、信吉は「盗人はそっちでねえか」と応じ、貸してやった種もみを返してもらえないと主張していました。

 

この二人の仲裁に入ったのが小一郎でした。争いを続けたところで互いに傷つき、双方が大損するとし、「わしは あと2升 玄太に(種もみを)貸してやれと申しておる」と提案します。信吉は両親を去年亡くし、種もみで苗を増やしても人手が足りなければ、米は育たないため、田んぼも広く、若いもんも多く抱える玄太に種もみを貸す代わりに獲れた米の半分をもらえばよいと考えたのです。

 

玄太と信吉がこの提案を受け入れると、小一郎は「これで 万事円満じゃ。クククク……。」と明るい笑顔を見せていました。

本作の冒頭から、小一郎は賢さ、頭のキレのよさを存分に発揮。この賢明さが、野心家の兄・藤吉郎を支え、きょうだいの出世街道を切り開く重要な鍵となるのです。

小一郎(仲野太賀) 大河ドラマ『豊臣兄弟』1話(1月4日放送)より(C)NHK

実は、小一郎が二人を仲裁したのには下心が……。二人の諍いをおさめたら銭1枚をもらうと、直(白石聖)と約束していたのです。銭を直からもらいうれしそうに笑う小一郎ですが、「みんなで幸せになるんが 一番じゃろ」といって、直にお菓子を手渡していました。

小一郎と直がくつろいでいると、「皆の者~!戦じゃ~!備えよ~!」という声が村に響きわたります。信吉が「待ってました~!」と喜々として声を上げる姿を悲しそうに見つめる小一郎の表情が印象的でした。

 

直に「あんたは行かないの?」と聞かれ、「どうせ目当ては 戦場での盗みじゃろ」「わしは盗人にはならん」と悲しそうに答える姿も小一郎の人の好さが感じられました。

 

しかし、小一郎には“人の所持品を盗みたくない”という正義感以上の個人的な背景があります。直に「あの人と同じだから?」と問われて言葉を失ったように、藤吉郎の過去が重くのしかかっていたのです。藤吉郎は直の父である坂井喜左衛門(大倉孝二)の家から仏画と妻を盗み、村を後にしましたが、この事件がきっかけで一家は村を追われそうになるほどの窮地に追い込まれました。

 

さらに、藤吉郎に胸の内を明かしていたように、父が手柄を立てようと戦で傷を負い、命を失ったことも、彼が戦を拒む理由でした。

平和を好み、戦場を嫌う小一郎が戦場で槍を振りまわす日もそう遠くはありませんが、彼の心に変化をもたらす出来事はどのようなものなのだろうか.…..。

 

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