「もう戻る場所はない。絶対に社会で認められなきゃ」貯金ゼロ。43歳・元専業主婦が「自立」できた方法とは
50歳を迎えるころ、これまでの働き方や暮らし方を見つめ直し、「この先の人生をどう生きるか」を考えるようになる人も多いのではないでしょうか。
シリーズ「50歳から考えるこれからの仕事と暮らし」では、人生の折り返し地点から新たな一歩を踏み出した人たちの選択と、その先に広がる暮らしを取材します。
本編では、睡さん(46歳)が42歳のときに貯金ゼロで離婚後、43歳で起業し、徐々に自立を果たしたお話をお届けします。
◾️睡さん
北海道・札幌育ちの46歳。42歳で離婚、43歳で起業し、ヨーガ・コーチング講師として活動。44歳で福岡県に単身移住
【50歳から考える これからの仕事と暮らし #4 前編】
「この人を逃したくない」。一般的な価値観で選んだ夫との関係に綻びが生じて
現在、福岡県でヨーガ・コーチング講師として活動する46歳の睡さんは、北海道・札幌市で生まれ育ち、26歳のときに結婚しました。結婚した夫は、当時の睡さんの理想にぴったりの相手でした。「この人以上にいい相手には出会えないかも。早く結婚しなくちゃ」と、焦って結婚に至ったといいます。
しかし、子どもたちが育ち、家族としての共同作業が増えていくにつれて、外側の価値観を重視した関係性に、少しずつ不具合が生じてきました。
「私はこんなに頑張ってる……。正解だと思われる子育てもきちんとできているのに、夫は認めてくれていないように感じる」。
夫との間に生まれた埋めようのない溝が、睡さんを苦しめるようになっていきます。まだ子どもが小さかったので、円満を装いながら夫婦関係を続けていました。けれど夫婦で認め合うことができず、子どもの前でのケンカもしょっちゅうでした。夫との関係がうまくいかないことで、睡さんの自尊心は徐々に削られていきました。
そんな苦しみがあった33歳の頃、幼稚園のママ友の開くヨーガ教室に通い出します。
「ヨーガをやった瞬間から、体と心が軽くなったんです。身も心もボロボロだった私に一筋の光が差し込んだような感覚でした。あのときヨーガに出会っていなかったら、私はいま、この世にはいなかったかもしれません」。
それほどまでに心身ともに追い込まれた状況だったと振り返ります。
42歳で離婚。身の回りの品を売り、引っ越し費用を稼ぐ

ヨーガを始めてみるみる元気になった睡さん
自分の心に蓋をしながら10年ほどそんな生活を続けていたある日、道で昔の知り合いとばったり会います。この頃はヨーガを習うだけでなく、講師として人に教えるようになっていました。その人は、「いいお母さんをやってるね。ヨーガ講師、すてきだね」と褒めてくれました。自分の存在意義を感じられず、「私の持ち物は一つもない」と自信をなくしていた睡さんにとって、陽の光のようにやさしい言葉に感じられました。
「自分の足で生きてみよう」。
下の子が高校を卒業するまでは、なんとか結婚生活を続けようと考えていた睡さんでしたが、「もう自分の心に嘘はつけない」と、離婚を決意します。当時、中学生と高校生の息子さんは、母の独り立ちを応援しつつ、「お父さんのことが心配だから」と、父親と暮らすことを選びます。長い話し合いの末に離婚を快諾してくれた元夫の応援もあり、睡さんは家から1km離れた場所で一人暮らしを始めました。
ヨーガ講師といっても自立できるほどの稼ぎはなかった、専業主婦の睡さん。貯金はなく、クレジットカードを作ろうと思ったら審査で落ち、賃貸マンションを借りようにもはじめは断られてしまう状況でした。どうしようもなく、ブランドバックや貴金属、時計などを売却して200万円を工面し、どうにか引っ越しをすることができました。
「ブランド品は外に対して自分を素敵に見せたいという象徴のようなもの。今までの自分と決別するためにも必要なことだったかもしれません」。
離婚後、「スマホ代を自分で払う」ことが自立への第一歩でした。
43歳、「ヨーガ・コーチング講師」として、キャリアを築く
一人になった睡さんは、目と鼻の先に暮らす子どもたちのケアをしつつ、半年間、心理カウンセラースクールに通ってキャリアコンサルタントの資格を取得します。結婚前に勤めていた会社の先輩から、「キャリコン資格があれば、仕事に復帰できるよ」と言われたのがきっかけでした。結局、その話は立ち消えてしまいましたが、のちに「ヨーガ・コーチング講師」として活動するにあたり、役に立ったといいます。
さらに元夫と建てた家の売却益を元手に、札幌市の一等地のタワマンに引っ越し、キャリアカウンセラーとして自宅サロンをオープンしました。「環境のいいところに住めば、それだけ仕事も入ってくるはず! 私は成功する!」と根拠のない自信で自分を奮い立たせました。
こうして43歳でキャリアカウンセラーとして独立した睡さんは、体のメンテナンスをする「ヨーガ」と、心にアプローチする「コーチング」を組み合わせた「ヨーガ・コーチング講師」という肩書で、企業の従業員の健康をサポートする仕事に取り組みました。「仕事を始めたからには、社会で認められなきゃ」とスケジュール帳にできるだけ仕事を詰め込みました。
結婚前に勤めていた会社は、起業家を多く輩出する社風だったため、元先輩などのつながりをたどっていくうちに、企業向けのカウンセリングの仕事を獲得することができたのです。
「睡さんのおかげで心身や状況が変化した。ありがとう」と感謝の言葉をかけられ、報酬も1セッション8000円から3万円、5万円へと上がり、収入は経験を積むにつれて増えていきました。
ちょうどその頃、短大しか出ていないために学歴コンプレックスがあった睡さんは「大卒の経歴がほしい」と思い立ち、仏教系の大学に入学。ヨーガの考え方をより論理的に言語化するため、仏教の学びもスタートさせます。
後編▶▶関連記事「見栄を張る生き方はいらない…44歳で骨折→心の病を発症、逆境で気づいた「人生が好転する秘訣」
では、起業後の生活に暗雲が立ち込めた睡さんが、不調の中であることに気づき、リ・スタートを切った話をお届けします。
■編集部より■
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